最新インプラント症例:日本歯周病学会歯周病専門医、国際インプラント学会認定医

インプラントなら横浜の大船駅北口歯科  神奈川県横浜市(JR大船駅北口から徒歩3分)にあります 国際インプラント学会認定医、日本歯周病学会専門医です。 インプラントのマニアックな情報を掲載しています。

2008年02月

インプラントの難症例:どのような状態が難症例か?:その44

2/28(木曜日)です。

今日も前回の続きで、噛み合わせによる難症例


噛み合わせによる難症例として、
『歯ぎしり』
『くいしばり』
があります。

歯ぎしりくいしばり は、インプラントにも天然歯にも影響があります。

しかし、インプラントの方が歯ぎしりによる問題は大きいのです。
その理由として、インプラントには『歯根膜』が存在しません。

歯根膜?

『歯根膜』とは歯の根の周囲にある薄い膜状のもので、歯と骨をつなぐ『じん帯』のような役割をしています。

また、『歯根膜』の中には咬む力を感知する知覚神経が存在します。
『歯根膜』には一定の幅があり、物を咬むとこの幅の分だけ歯は動きます。

つまり『歯根膜』『クッション』のような役割をしています。
この『クッション』が噛む力をコントロールするのに非常に大切なのです。

しかし、インプラントにはこの『クッション(歯根膜)』は存在しません。

骨と『クッションがないインプラント』がダイレクトに骨と接触しているため、咬むカによって動くことは ほとんどありません。

そのため噛合わせに問題がある場合には無理な力がインプラントに直接加わり 影響を及ぼします。

『歯ぎしり』『くいしばり』がある方はこうした力をさらに受けやすいのです。

こうした傾向が強い方にはインプラントをお勧めしないこともあります。
(歯軋りを強くしている方は歯を見ると削れている部分が認められます。また歯軋りで天然歯がダメになった場合にはインプラントを行っても同様にダメになる可能性があります)

『歯ぎしり』『くいしばり』による『力』はものすごいものです。

私は『歯ぎしり』『くいしばり』をしていない!
と思われるかもしれませんが、
その頻度や強さに違いはありますが、
ほとんどの方がしています。
『ギリギリ』と音として聞こえる方もいれば、
まったく音がしない方もいらっしゃいます。

『歯ぎしり』『くいしばり』によって歯はどんどんと削れていくのです。

硬い歯でも、被せ物の金属でも必ず すり減ります。

毎日のことですから、感じないとは思いますが、
歯を良く見ると、削れた痕(あと)があります。

『歯ぎしり』『くいしばり』が強い方ですと、歯の1/3程度まで削れている場合があります。

そんなに削れるのか?
と思われるかもしれません。
しかし、実際には結構 歯は削れるのです。

『歯ぎしり』『くいしばり』がある方はインプラントの難症例です。


次回のブログは3/3(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、難症例その3:歯周病による難症例とは?です。


今週(2/26〜27)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今回紹介する患者様は高齢で、上下顎ともに歯が1本もありません。

いわゆる、『総入れ歯』です。

しかし、義歯の安定が悪いため、食事中には義歯が落ちてきます。
どうにかならないかと当医院を受診されました。

歯が1本もない場合、片顎で、6〜8本程度のインプラントを埋入すれば、
ブリッジにすることが可能です。

ブリッジは固定式のため、ともとも歯があった状態のように回復が可能です。

実際のインプラントによるブリッジの症例は、下記のレントゲン写真を参考にして下さい。
buri2








しかし、こうしたインプラント・ブリッジによる治療は、インプラントの埋入本数が多くなり、治療費が高くなってしまいます。

そこで、治療費を抑える方法として歯が全てない場合、できる限り少ないインプラントの埋入で治療を行う方法もあります。

まず、2本のインプラントを埋込みます。
そして、インプラントと義歯をつなぐアタッチメントという金具を装着します。
これにより義歯とインプラントは強固に固定されますので、義歯が落ちてくるということはありません。

この治療法をアタッチメント義歯と言います。

下の写真は下顎にアタッチメント義歯を行ったものです。
aa










さて、話を今回の症例に戻します。

今回は上顎にインプラントの埋入を行いましたが、下顎にはすでにアタッチメント義歯が終了しているのです。

下顎の義歯の方が食事中に動きやすく、取れやすかったので、
まずは、下顎にインプラント治療を行いたいとの希望がありました。

そして、下顎をアタッチメント義歯にした結果、非常に快適であったため、顎も行いたいという希望があり、今回のインプラント手術となりました。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)   SLAタイプ
直径4.1ミリ、長さ10ミリが2本でした。

埋入方法は、 『スプリッティング法』でした。
この方法は、ドリルをさほど使用せず、骨の幅を押し広げながらインプラントを埋入するこの方法は骨にダメージが加わりにくく、術後の腫れが少ない治療法です。

もちろん手術直後から義歯は使用できます。
(多少の制限はありますが…)

手術時間は、約15分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3ヶ月後にアタッチメントを取り付ければ終了です。

治療費
インプラントが1本21万円(税込)×2本、
アタッチメントが1個52.500円(税込)×2個分、
ですので、合計525.000円(税込)になります。

この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、今回のスプリットクレスト法の費用も全て含まれています。



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インプラントの難症例:どのような状態が難症例か?:その34

2/25(月曜日)です。

昨日 私は、都内で『インプラントのセミナー』に参加してきました。
テーマは『インプラントの最新外科』です。
300名ぐらいの歯科医師が参加していたでしょうか?
会場は満員でした。
とくに目新しい内容ではありませんでしたが、時々こうしたことに参加するのは気分もリフレッシュされて良いですね。
他の3名の先生は、留守番で診療でしたが…

さて、今日も前回の続きで、骨の吸収を起こす“3つの理由”その3になります。


3 歯がないまま(欠損のまま)にした結果、骨が吸収してしまった!

  不適切な義歯の使用や 歯が抜けたままにしていると 顎の骨は吸収してきます
  骨は機能圧(噛むカ)が加えられることによりその高さや幅は維持されます
  歯周病に問題がなく 歯がきちんとあれば 顎骨の吸収はほとんどありません。
  しかし、抜歯を行うと 個人差はありますが、必ず顎骨は吸収していきます。
  特に、上顎の奥歯においては、骨が吸収するとインプラントが非常に困難
  になります。
  この理由として、上顎の奥歯の上方には『上顎洞』という空洞が存在しま
  す。
  上顎洞とは、
  上顎の奥歯の上に存在する骨の空洞になっている部分のことです。
  この空洞は頬骨の奥に存在し、鼻腔へとつながっていて、鼻柱骨により左
  右に分かれています。
  多くの場合、歯が存在するとこの上顎洞と上顎の骨の距離は一定の幅があ
  りますが、歯周病や欠損状態が長く、骨が吸収してしまうと上顎と上顎洞
  との距離が薄くなってしまいます。
  その結果インプラントを行えないことがあります。

  欠損状態を放置すると難症例になります。


次回のブログは2/28(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、難症例その2:噛み合わせによる難症例とは?です。


今週(2/22〜24)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今回のケースは、口腔内全体を治療した症例です。
今日は、インプラントの話というより 治療開始から現在までの治療の進め方について解説したいと思います。

これも患者様にとって非常に興味があることだと思います。

『どのように治療は進めるのか?』ということです。

今回の患者様は、初診時に 口腔内には全て、セラミックの被せ物がされていました。

そのほとんどが虫歯になっており、インプラントもされていましたが、全てのインプラントが摘出しなければならないような状態でした。

つまり、今まで行ってきた、全ての治療がやり直しなのです。

患者様にとっては大変なことです。

しかし、患者様はそうした状況はすでに ご理解されていたようで、初診時には、『全ての被せ物をやり直してきちんとしたい!』という希望をお持ちでした。

このようなケースでは、全ての被せ物を一度 取り外すことから始めなければなりません。

まず、セラミックを取り外すに型を取ります。

そして、歯科技工士により、口腔内全体の仮歯を作製します。
つまり、セラミックを取り外すすでに仮歯は出来上がっているのです。

ちなみに仮歯といっても、審美的に問題になることはまったくありません。

そして、上顎、下顎と2回に分けて虫歯になっている古いセラミックを除去し、仮歯に置き換えます。

セラミックを除去した当日に仮歯が入りますので、審美的にも、食生活にも問題が生じることはありません。

きちんとした仮歯が作製されると 治療は スムーズに行えます。

歯周病の治療 や インプラント治療の際には、仮歯を一度取り外した方が断然治療が行いやすいのです。

そして、欠損部位にはインプラントを5本埋入することになりました。

今回のインプラント手術は そのうちの1本のみの埋入でした。

通常、多数のインプラント埋入の予定がある場合、
一度に埋入してしまうことが多いのです。
この理由として、何度もインプラント埋入を行うのは、患者様にも大変なことであるためです。

ここで、例えとして、
上下左右の奥歯にインプラント埋入の必要性が合った場合、以下のような進め方があります。
1 上下顎左右ともに1回で全て埋入する
2 上顎、下顎の2回に分けて埋入する
3 上顎右側、上顎左側、下顎右側、下顎左側 の4回に分けて埋入する
です。


どの方法が良くて どの方法が悪いということではありません。

患者様 個人個人により違います。

通院回数を少なくしたい希望があれば、1回で行った方が良いでしょう。

一度に行うのが不安であれば、最初は1本のみにし、治療の結果、不安が無くなれば、次回から2本にしたり、残りを全て行うという方法もあります。

また、埋入本数が多いと腫れる可能性が高くなるため、何回にも分けることもあります。

埋入方法は それぞれです。

今回は、『仕事上、腫れると困る』というご希望がありましたので、5本埋入予定のインプラントは、3回に分けて埋入することになりました。

今回は、その3回目の埋入(1本のみ)の日だったのです。

骨の状態はすごく悪い分けではありませんでしたが、骨の吸収が起っていたため、インプラントの埋入と同時に骨の増大法を行いました。
『GBR法』です。

使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ10mmが1本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。


今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3ヶ月後に型を取ります。

ちなみに、型は上顎、下顎に分けて一度に全て同時に行います。

多数の型を取る場合、何回にも分けて行うことより、一度に行ったしまうことが多いです。

この方が、色や形態、噛み合わせを 合わせるのが“ 楽 ”だからです。
もちろん、患者様にとっても何回も型を取るのは大変ということもあります。

今回は、インプラントと骨が結合した後、全ての型を一度で取る予定です。





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簡単な話が聞きたい!という方はどうぞご覧になって下さい。
かなり簡単な話ですが…
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インプラントの難症例:どのような状態が難症例か?:その24

2/21(木曜日)です。
今日も前回の続きで、骨の吸収を起こす“3つの理由” その2になります。

その2 歯根破折により骨が吸収してしまった!
  歯の根が割れてしまうことはよくあります。
  この原因の多くは 神経がない歯で起こります。
  神経のない歯はもろく通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。
  こうした状態を 患者さんに説明する時に " 木 " に例えてお話しすること
  があります。
  生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはあり
  ませんが、枯れた木は折れる可能性があります。
  神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
  神経のない歯は血液供給がなくなるため、脆くなってしまうのです。

  歯の根が破折してしまった場合、折れている場所にもよりますが、
  ほとんどの場合 >抜歯となります。
  ここで問題なのが、折れてしまった歯が何とかならないものだろうかと考
  え、抜歯をためらい、時間が経過してしまうことです。
  破折したままの状態でいると破折した部分から感染が起こり、
  周囲骨の吸収が起こります。
  骨の吸収が大きく起こるとその後にインプラントを埋入する場合に非常に
  不利な状態になります。
  もし、歯根破折と診断された場合には早期に対処(抜歯となることが多い)
  する必要性があります。
  骨の吸収がほとんどない場合には抜歯と同時にインプラントが埋入
  ( 抜歯即時インプラントを参照)できますし、
  骨の吸収が軽度から中程度であれば抜歯と同時にインプラントを埋入し、
  さらにGBR法( 『GBR法』を参照)を行うことになります。
  しかし、長期間破折を放置しておくと吸収は大きくなり、インプラントを
  行うのに条件が悪くなります。
  歯根破折をそのままにしておくと難症例になります。



次回のブログは2/25(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『骨吸収を起こす3つの理由:その3』です。


今週(2/19〜20)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中からサイナスリフト法後にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今回のケースは、初診時に 上顎の左右ともに奥歯が4歯欠損していたため、インプラントによる治療を希望されて来院された患者様です。

診査の結果、上顎の奥歯は、高度に骨吸収を起こしており、場所によっては、約1ミリ高さしか存在しない状態でした。

通常、インプラントを適切に埋入するためには最低でも6〜8ミリ程度の骨の高さがないと行えません。

今回は、場所により 骨の高さが 1ミリですので、そのままインプラントを埋入するにはまったく無理な状態でした。

このように、1ミリ程度の骨の高さしか存在しない場合、インプラントを埋入するためには、 サイナスリフト法を行うしか方法はありません。

サイナスリフト法とは、骨の移植を行い、骨の高さの増大を行う治療方法です。

『なんだ、骨の移植を行えば、できるのか!』

と 思われるかもしれませんが、
この治療法は時間がかかり、
治療後の腫れも わりと強く起る治療法です。

治療期間は、 サイナスリフト法を行い、骨ができるまで、個人差はありますが、6〜12ヶ月です。

骨が再生後にインプラントの埋入になります。

そして、インプラントを埋入し、骨と結合するまでさらに6ヶ月程度はかかります。

つまり、治療期間は合計で、12〜18ヶ月程度はかかることになります。
場合によっては、もっとかかることもあります。

また、 サイナスリフト手術直後には、腫れが伴います。

この腫れは インプラント治療の中でも最も高頻度で起ります。
また、腫れの程度は、3〜10日間程度起ることがあります。
場合によりさらに続くこともあります。

私の経験上、 サイナスリフト法後に ほとんど腫れないという方も 今までにはいらっしゃいましたが、
基本的に 腫れると思っていただいた方が良いでしょう。

しかし、今回のように 骨の高さが1ミリしか存在しない場合には、 サイナスリフト法を行うしかありません。

サイナスリフト法の詳細については下記を参考にして下さい。
  ・ サイナスリフト法

話は戻ります。

今回の症例は、約7ヶ月前に サイナスリフト法を上顎の左右に行いました。

今回は、その片側のみにインプラントの埋入を行ったのです。

埋入したインプラントは、1本のみです。
2本は、 サイナスリフト法と同時に埋入を行ってあります。

それでは、 サイナスリフト法のみを行う治療と
サイナスリフト法同時にインプラントを埋入する方法の違いですが、
骨の高さは少ないが、3ミリ程度あり、インプラントを埋入する時にインプラントが安定できる状態であれば、同時に行います。

しかし、インプラントの安定が得られないようであれば、
無理せず、 サイナスリフト法のみを行い、
骨がきちんとできて(再生して)からインプラントの埋入を行った方が安全です。

今回の症例は、場所によっては、3ミリ程度の骨の高さがあったので、その部分には サイナスリフト法同時にインプラントの埋入が行えたのですが、
1ミリしか骨の高さがない場所は、前回 骨の再生治療のみ行ったのです。

そして、7ヶ月経過し、骨が再生したため、今回のインプラント埋入となりました。

使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ10mmが1本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約6ヶ月後に型を取り( サイナスリフト法後なので通常より時間がかかります)、
3. 型取りの後、 約20日で完成した被せ物を装着し、完了です。


今回のように骨の吸収が著しい場合には、治療期間がかかり、大変なのです。

骨が吸収しないようにすることが大切です。

骨が吸収する3つの理由については、現在シリーズで書いていることですので、次回のブログもご覧になって下さい。


いつもはこれで終了ですが、今回は確定申告時期ですので、お役立ち情報を書きたいと思います。

        医療費の確定申告

歯科で行ったインプラント治療等の自費診療確定申告の対象になります。
是非 確定申告して下さい。

医科、歯科で支払った医療費が一定の金額以上の場合は控除の対象になります。
1年間(1月1日から12月31日)に医科、歯科の治療費(保険、自費診療とも含まれる)として支払った金額の合計が10万円以上の場合は控除の対象になります。(ただし上限は200万円までです)
具体的な控除額は(支払った医療費―保険等で補填された額)
―10万円もしくは所得金額の5%(いずれか低い金額)です。
確定申告時に源泉徴収票と一緒に医療費の領収書を税務署に提出します。

* 領収書の再発行はできませんので領収書は大切に保管して下さい。
* 通院にかかった交通費も対象になります。
 (しっかりとした交通費の内訳(車、電車、タクシー等) と 領収書 が必要です)

医療費控除:参考例

所得金額500万円(妻:所得なし、子供2人)で、1年間に支払った医療費の合計が100万円だった場合。
100万円―10万円=90万円が医療費控除になり、所得税として9万円、住民税として77,500円の合計167,500円が還付されます。

* 上記は参考例であり、年度、特別減税等は考慮していません。
  詳細は税務署にお問い合わせ下さい。



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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
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インプラントの難症例:どのような状態が難症例か?:その15

2/18(月曜日)です。
今日から新しいテーマになります。
テーマは、『インプラントの難症例:どのような状態が難症例か?』になります。


難症例その1:骨の状態による難症例とは?
インプラントを埋め込む手術自体は、顎の骨がしっかりしていれば、さほど大変な治療ではありません。

大変でないというのは、『治療時間が短かったり、腫れたりすることが少ない』ということです。

例えば、骨の幅や高さがしっかり存在する場合、インプラントを1本埋入するだけであれば、早ければ3分、長くても10分あれば十分です。
また、術後の腫れの程度には、その後の過ごし方や個人差はありますが、
9割以上の人は腫れないでしょう!

インプラント治療を始めて受けられる方は、
治療に伴う痛みや 腫れ等 不安なことがあるかと思います。
しかし、骨の状態さえ異常なければ、先程説明しましたように腫れたりする確立は非常に低いものです。

しかし、現実的には、インプラント治療を希望される患者様の多くは、骨がしっかりとしていません。
多くの方が 骨の幅や 高さに問題があるということです。

なぜこのように 骨の吸収が起ったのでしょう?
大きく分けて “3つの理由”が考えられます。

その1 歯周病により骨が吸収してしまった!
  最も多いことです。
   歯周病とは、
  歯周病細菌の感染により歯を支えている骨が吸収することです。
  歯周病を放置すると骨はどんどんと吸収してしまい、
  最終的には“歯がグラグラ”してきます。
  この段階では、骨の吸収が大きく、単純にインプラントを行うことができ
  ない可能性が高くなります。
  骨の増大治療が必要になります。
  失った骨を増大させる治療を 『GBR法』と言います。
  もちろん、骨の吸収程度にもよりますが、 歯周病で高度に骨が吸収してしま
  った状態は難症例になります。



次回のブログは2/21(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『骨吸収を起こす3つの理由:その2』です。


今週(2/15〜17)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中から 『スプリットクレスト法』を行い、インプラント埋入と同時に 『GBR法』および 『ソケットリフト法』を行った1症例について解説します。

今回の症例は、上顎に 5歯の連続欠損 と 1歯の欠損があったケースです。
5歯の連続欠損には、3本のインプラントを埋入し、ブリッジとしました。

このように 多数の欠損がある場合、欠損全てにインプラントを埋入する必要性はありません。
通常は、欠損数の半分以上のインプラントの本数であれば、問題ありません。

埋入する本数が少なければ、治療費も抑えられますし、手術に対する負担も軽くなります。

それでは、5歯欠損の場合、どのようなケースでも、3本のインプラント埋入が必要なのでしょうか?

インプラントが必要な本数は、骨の状態 や 噛み合わせ等に大きく左右されます。

インプラントには さまざまな長さがあります。
当医院において主に使用している ストローマン・インプラントですと 短いもので6mm、それから2mm間隔で12mm(それ以上長いものもありますが一般的にはこの長さまでです)までの長さがあります。

インプラントの長さによってその成功率(生存率)は異なります。
例えば、骨の幅や高さがしっかりしていて、歯ブラシの状態も非常に良い、歯周病ではない、噛み合わせもしっかりしている、歯ぎしりもないとなれば 12mmの長さのインプラントが埋入されればその成功率は非常に高いものです(統計的には10年後の生存率で98%以上の報告が多くあります)。

しかし、6mm程度のインプラントしか埋入できないとすると その生存率はかなり低くなります。
単純に短いインプラントしか埋入できなければ 力学的に噛む力に耐えきれないということです。

話しは戻りますが、今回のように 5歯欠損であっても上記のような条件を満たし、骨がしっかりしていて10mm以上のインプラントが埋入できるとすれば3本のインプラントでもブリッジは十分可能です。
しかし、6mm程度のインプラントしか埋入できないような骨の状態であれば 3本でブリッジは厳しいことになります。
そのような状態であれば 5歯欠損に4本のインプラントを埋入した方が予知性(安心感)があります。

このように同じ5歯欠損であっても骨の状態等により埋入本数は変わってきます。逆に言えば、条件さえよければインプラントの本数は少なくても問題は起りません。

例えば、4歯欠損においても 骨の状態さえ良ければ、2本のインプラントを埋入してブリッジをすることも十分可能です。

話はだいぶ長くなりましたが、今回は、5歯の連続欠損に3本のインプラントと1歯欠損の合計4本のインプラント埋入を行いました。

骨の状態はかなり悪く、欠損状態(歯がなかった期間)が長かったため、骨の吸収が高度に起ってしまっていました。

歯がないと骨が吸収してしまう現象は以下をご覧下さい。
歯がないと顎の骨はどんどんと吸収していきます!

具体的には、骨幅が2ミリ程度しかありませんでした。
インプラントの直径は約4ミリですので、十分な骨幅とは言えません。

そこで、骨幅を増大させる 『スプリットクレスト法』 『GBR法』を併用しました。

また、今回は骨の幅が少ないだけでなく、高さも少なかったため、骨の高さを増大させるための、 『ソケットリフト法』も併用しました。

今回は特に骨幅が少なく、難症例でした。

しかし、どんなに骨幅が少なくとも、インプラントができないということは基本的にはありません。
骨を増大治療を行えば可能になります。
しかし、治療に伴う大変さはありますが…

今回 使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  
直径4.1mm 長さ12mmが2本、直径4.1mm 長さ10mmが1本、直径3.3mm 長さ10mmが1本でした。

麻酔方法は 『静脈内鎮静法』 です。
静脈内鎮静法は寝ている間に治療が終了するため、治療を受ける患者様にとっては楽な麻酔方法です。

この麻酔方法の欠点は手術時間が長くかかるということです。

つまり、
麻酔の準備にかかる時間と
麻酔が効くまでの時間、
麻酔がきれるまでの時間
麻酔がきれた後の待つ時間です。

実際の手術時間は、約30分程度でしたが、麻酔がきれるのを含め、帰宅されるまで、120分程度かかりました。

しかし、1回の手術で、緊張や不安もなく、行えますので、 『静脈内鎮静法』 は、患者様に非常に好評な麻酔方法です。

とくに今回のような難症例の場合、患者様、術者ともに 『静脈内鎮静法』 を行った方が楽な治療になります。

今回から 治療のスケジュール と 治療費 についても記載したいと思います。

治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. 約4ヶ月後に型を取り、
3. 型取りと噛み合わせ後、 約20日で完成した被せ物を装着し、完了です。
以外に治療回数はかからないものなのです。

治療費
今回の手術を含め、5歯欠損の治療費の合計は、
インプラントが1本21万円(税込)×3本、
最終的な被せ物は、
手前がハイブリッドセラミックで1歯105.000円(税込)×2歯分、
奥が金属製で73.500円(税込)×3歯分
ですので、合計1.060.500円(税込)になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用、
今回のスプリットクレスト法、GBR法、ソケットリフト法の費用も全て含まれています。


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オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…その4

2/14(木曜日) バレンタインデー ですね。
妻から義理?チョコ♡をもらいました♡

今日のテーマは、オベイド・ポンティックの4回目で、『オベイド・ポンティックとは?』 になります。


ここまでで、ポンティックについては だいぶお分かりになったかと思います。
オベイドとは、卵型を意味します。
オベイド・ポンティックとは、前回の鞍状型、船底型、リッジラップ型とは違った形態です。

ちょうど歯肉の上に卵を乗せたような形態です。
今までのポンティックの欠点を補うように、1980年代後半になり、新しく開発された形態です。
このオベイド・ポンティックが開発されて以来、前歯部等の審美性を追求する場所には高頻度で使用されています。
下図を参考にして下さい。
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次にオベイド・ポンティックの方法について説明します。

      オベイド・ポンティックの作製方法

このオベイド型のポンティックは、今までのポンティックの作製方法とは大きく違う点があります。
今までのポンティックは、型を取り、歯科医師の指示のもと、ブリッジを作製する歯科技工師さんが形態を作製します。
つまり、ブリッジの作製段階(歯科技工段階)で決定するものなのです。
しかし、オベイドポンティックは、まったく違う行程で作製します。

一般的なオベイドポンティックは、型を取る前に、歯肉を形態修正を行います。
歯肉の形態修正?

分かりやすく説明しますと歯肉に麻酔をし、歯肉を若干除去し、くぼみを人工的に作るのです。
くぼみができた歯肉の上に仮歯でできた卵形のポンティックを歯肉に当たるように設置します。
そして、形態修正した歯肉が治るまで、そのままの仮歯で過ごしていただきます。

2週間程度し、仮歯のブリッジを撤去すると歯肉は卵が置けるような形態になっています。
この状態を確認した上で型を取るのです。

通常のポンティックよりは手間時間がかかります。
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オベイド・ポンティックのもう一つの方法として、
歯肉の形態修正をまったくせず、ブリッジの型を取ります。
そして、型から作製した模型上で、先程行ったように模型の欠損部を削り、卵型にします。
つまり、口腔内では、麻酔をしたり、歯肉を削ったりせず、模型上でこの作業を行うのです。
そして出来上がったオベイド・ポンティック・ブリッジを仮歯を外して、装着するのです。
模型上で、削って作製してあるため、実際の歯肉とはすぐには合いません。
歯肉を若干押すようにしてブリッジを装着します。
ブリッジの装着時には時間が多少かかります。

この模型上でオベイド・ポンティック・ブリッジを作製する方法は簡単なのですが、
実際に口腔内の歯肉を削らないので、オベイド形態にする量に限界があることと、
オベイド・ポンティック・ブリッジを装着後に変化する歯肉の状態を予想しにくいことがあります。
きちんと行うためには、やはり、型を取る前の段階で、麻酔をし、歯肉の形態修正を行った方が良いでしょう。

これで、オベイド・ポンティックについては全て終了です。

今回のように このブログは、かなりマニアックな 歯科(インプラント)情報を掲載しています。
そのため、
『難しすぎて分からない!』
『もっと基礎的な話が聞きたい!』
という意見もあります。
そこで、
簡単な『インプラントの基礎の基礎ブログ』を別に開設することにしました。
基礎ブログ新規開設については、またご報告致します。


次回のブログは2/18(月曜日)になります。
次回からは、新しいテーマになります。
『インプラントの難症例:どのような状態が難症例か?』です。
お楽しみに!

今日は、オベイド・ポンティックの話が長くなってしまったので、いつも書いています今日のインプラント手術報告は休ませていただきます。

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神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。

オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…その34

2/11(月曜日)です。

今日のテーマは、オベイド・ポンティックの3回目で、『ポンティックについてさらに詳しく…』になります。

前回までの内容で、ポンティックとは、ブリッジの欠損部のことであることがお分かりになっていただけたと思います。

ポンティックは欠損部の歯肉の上に乗っかっているだけのものです。
当然、歯肉とくっついているわけではありません。
単に歯肉の上の乗っかっているだけなのです。
そのため、ポンティック部分には食事をすると多少の食物が溜まります。
通常これは、さほど気になることはありません。
(ちなみに私自身も前歯はブリッジになっており、ポンティックがありますが、食事中 特に気になることはありません…体験済みです。)

しかし、場合(個人差はあります)により、歯がない部分は時間の経過とともに痩せていく傾向があります。(歯肉が退縮してく)
これは、歯がないと噛む力が直接骨に加わらないため、骨が痩せてくる現象が起るためです。
この詳細は こちらを参考にして下さい。

ポンティック部分の歯肉が痩せてくると
その部分に食物が詰まりやすくなったりします。
また、審美的にも問題が出てきます。

それでは、一般的なポンティックの形について解説したいと思います。

通常のポンティックの形態
一般的なポンティックの形態は以下の図のようになります。
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クリックすると拡大されます。





1 鞍状型(あんじょうがた)
  馬の鞍(くら)のように歯肉をまたぐように設定されています。
  物が詰まりにくいのですが、逆に清掃性が難しいという欠点があります。

2 船底型(ふなぞこがた)
  通常、下顎の奥歯に使用するタイプです。
  船の底のような形をしているため、このような名前になっています。
  清掃性に優れています。
  しかし、上顎の前歯部にこの形態を採用した場合、発音に問題が生じやす
  いことがあります。

3 リッジラップ型
  通常、上顎の前歯部に採用する形態です。
  発音と清掃性を考慮すると優れた方法です。
  しかし、歯肉に圧力が加わりにくいので、歯肉が痩せてくることがありま
  す。
  歯肉に圧力が加わるということは、その下にある骨にも圧力が加わるため、
  骨が吸収しにくいことがあります。(全てのケースではありませんが…)
  この詳細については こちらを参考にして下さい。


ここまでで、ポンティックについてだいぶ お分かりになったと思います。

次回のブログは2/14(木曜日)になります。
次回のテーマから いよいよ本題に入ります。
『審美性を重要視したオベイド・ポンティックとは?』です。

今週(2/8〜9)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中からインプラント埋入と同時骨増大治療(GBR法)および骨幅拡大治療(スプリットクレスト法)を行った1症例について解説します。

症例は上顎の前歯部です。
初診時にすでに、前歯が2歯分欠損しており、欠損部の両側の天然歯2歯を土台として、ブリッジをしていました。
その土台である天然歯が歯根破折してしまったため、抜歯となったケースです。

歯根破折についての詳細は以下を参考にして下さい。
    ・ 歯根破折

ホームページやこのブログでも良く書きますが、
神経のない歯は脆く、歯根破折する可能性が非常に高いのです。

この歯根破折についての論文は多く報告されており、
2004年にAxelssonが報告した論文によると、
30年間の長期にわたり、歯の喪失率をまとめた結果、
歯を失った原因で最も多かったのは、『歯根破折』であったとしています。

歯根破折は、歯周病や虫歯で抜歯となったことよりも多かったのです。

神経のない歯は寿命が短いのが現状です。

もちろん虫歯が深かったり、痛みがあった場合などは、神経を取り除く必要性がありますが、できるかぎり歯の神経を取らない方が将来的な予知性は高くなります。

もっと言えば、神経を取るような状態にまで、虫歯を放置しないということです。

虫歯治療も早く行えば、神経も取らずに、簡単に行えます。

早期発見、早期治療が最も大切なのです。

話は今回の症例に戻りますが、2歯は 歯根破折していたため、抜歯になりました。

また、もともと歯がない部分(ポンティック部)は、骨の吸収が著しく認められました。

歯がない部分の骨は、力が加わらないため、骨がどんどんと痩せていくのです。
今回のようにブリッジの歯がない部分(ポンティック)は、力が直接骨に加わらないため、痩せていきます。

歯が欠損していると骨が痩せてくる原因については以下を参考にして下さい。
歯がないと骨は痩せていきます

この症例では、骨が痩せた結果、厚みが2〜3ミリ程度しかありませんでした。
今回使用したインプラントは直径が4.1ミリでしたので、骨の幅がぜんぜん足らないことになります。

骨の厚みが2〜3ミリしかない部分に、直径4.1ミリのインプラントを埋入するのですから、無理があるのは当然です。

通常、4ミリ程度のインプラントを埋入するためには、骨の厚みが6ミリはないとダメなのです。

そのため、今回は骨の幅を押し広げる方法を併用してインプラントの埋入を行いました。
この方法を 『スプリットクレスト法』と言います。

上顎の骨が薄い場合には良く行う方法です。(骨の状態により下顎でも行うこともあります…)

今回はインプラント埋入前にこの 『スプリットクレスト法』を行い、骨幅を増大させてからインプラントの埋入を行いました。

それでも骨の幅が不十分な場所には、β―TCPという人工の骨を使用し、骨の増大治療( 『GBR法』)を行いました。

『β―TCP』は人工的に生成された骨なので、それ自体が完全に骨になったりすることはありませんが、ご自身の骨や血液中の細胞が混ざることにより、骨に置換しやすいものです。
また、完全人工生成のため、非常に安全性が高いのも特徴です。
日本において 『β―TCP』は、歯科よりも整形外科等で、複雑骨折の治療等で普及している材料です。

また、 GBR膜 として吸収性『コラーゲン膜』を使用しました。
吸収性膜は、歯肉とのなじみも良く、インプラント同時の GBR法 では世界的に最も使用されている膜で、吸収性膜なしでは、 インプラント同時GBR法は成り立たない治療法です。
日本人にインプラント治療を行う場合、骨の幅が不十分であることが多く、
多くのケースにおいて GBR法を行います。
当医院においてもインプラント治療の約半数はGBR法を併用しています。
吸収性膜なしでは、インプラント治療は行えないと言ってもくらい重要な材料です。

使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ10mmが2本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。
インプラントの埋入本数が少なかったり、
インプラント手術に際し、さほど不安がない方にはこうした簡単な麻酔方法でインプラント埋入を行います。
もし、インプラント治療に不安がある場合には
『静脈内鎮静法』
にて麻酔を行います。

今回の治療は、骨吸収等があり、 『スプリットクレスト法』 『GBR法』を併用したため、腫れる可能性があります。

インプラントに対する患者様の不安なこととして、治療後の痛み腫れがあります。

骨の状態に問題がなく、インプラントの治療本数も少ない場合、
手術後に腫れることはほとんどありません。
しかし、今回のような場合には腫れる可能性があります。
腫れた場合、2〜7日程度腫れます。
もちろん個人差はあります。
また、手術後の過ごし方にもよります。
しかし、腫れたからといっても痛みが長く続くようなことはほとんどありません。


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オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…その2

2/7(木曜日)です。

普段木曜日は休診ですが、2/10(日曜日)が臨時休診のため、本日は診療になります。

今日のブログはオベイド・ポンティックの2回目になります。

まず、前回のおさらいから始めたいと思います。
歯が欠損した場合の治療方法として
1 インプラント
2 義歯
3 ブリッジ
があることを説明しました。

まずこのことを理解していただくためにお分かりにならない方は以下の動画をご覧になって下さい。(2分29秒)


これで、歯がない部分に対する“ 3つの治療 ”について理解されたかと思います。
それでは、今回のテーマであるポンティックの話を始めます。
ポンティックとは、ブリッジの歯がない部分にある
人工の歯のことです。
以下の図を参考にして下さい。
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クリックすると拡大されます。






ブリッジの欠損部に対する部位がポンティックであることはご理解いただけたと思います。
このポンティックは、天然歯に対する名称だけではなく、インプラントにも使われます。
例えば、歯が3歯欠損していたとします。
インプラントで治療を行う場合、2本のインプラントを埋入し、ブリッジとします。
インプラントとインプラントの間に存在するのが、ポンティックです。

このポンティックには、さまざまな形態があります。

今回のテーマであるオベイド・ポンティックは、ポンティックの形態の一つなのです。

今日はこれで終了です。


次回のブログは1/14(月曜日)になります。
次回はポンティックについてさらに詳しく解説します。

今週(2/5〜6)のインプラント手術報告

この2日間はインプラントの手術がありませんでした。
そのため、今日は別の話をしたいと思います。

アタッチメント義歯の話です。

この方法は、(総入れ歯)や歯が多数ない方(部分入れ歯)に行う治療法です。

通常、歯が1本もない場合、
完全固定式(元々歯があった状態まで回復できます)にするには、
6〜8本のインプラントを埋入し、ブリッジとします。
このような治療法を行うと、入れ歯ではなくなります。
非常良い治療法です。
しかし、インプラントの埋入本数が多くなるため、治療費がかかります。

そのため、 最小限のインプラント(2本)を埋入し、
そのインプラントを義歯の安定のために、利用する治療法
があります。
この治療を『アタッチメント義歯』と言います。

まず、2本のインプラントを埋込みます。
インプラントが骨と結合するまで、2〜3ヶ月待ちます。
もちろん手術直後から義歯は使用できます。
そして、義歯とインプラントが結合したら、
インプラントと義歯をつなぐアタッチメントという金具を装着します。
これにより義歯とインプラントは強固に固定されますので、
義歯が落ちてくるということはありません

現在義歯を使用している方には、費用や治療期間、手術に際する負担が非常に少なく
効果が高い治療法です。

また、部分義歯を使用している方で、義歯の金具(金属製)が見えて審美的に問題があると思われている場合にも効果的です。
部分義歯を支えている金具の変わりにインプラントとアタッチメントで義歯を固定します。
義歯の大きさが小さい場合、1本のインプラントでも可能な場合もあります。

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オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…その15

2/4(月曜日)です。

2/2(土曜日)、2/3(日曜日)は、 日本口腔インプラント学会(関東甲信越支部)でした。
診療が忙しかったため、全ての治療を他の先生にまかせることができず、2/2の午後のみ参加してきました。
最近のインプラント学会はものすごい人数です。
私が始めてインプラント学会に参加した15年前と比較するとくらべものになりません。
それだけ、歯科医師の興味も高いということです。

特に私が大学生だった頃には、授業でインプラントの講義はありませんでしたので、
それ以前に卒業した先生は、学会等で知識を身につけたいと思っているのでしょう。

さて、今日から新しいテーマです。

『オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…』になります。

まず、『ポンティック』とはなんのことでしょうか?
『ポンティック』について説明する前にブリッジについて解説したいと思います。
ブリッジを理解するとポンティックは自然と分かってきます。
ブリッジとは歯のない部分に歯を作製する治療方法の一つです。

例えば、前歯が1歯欠損していたとします。
この場合の治療方法として
1 インプラント
2 義歯
3 ブリッジが考えられます。

それぞれの特徴は以下のようになります。
1 インプラント
  インプラントは欠損周囲の歯を削らず、欠損のみに人工の根(多くはチタ
  ン製)を埋め込むものです。
  利点は、
  治療のために周囲の健康な歯を削らない。
  固定式のため違和感がない。
  義歯(入れ歯)やブリッジのように他の歯に負担をかけない。
  が挙げられます。
  欠点として、
  治療期間が長い(最短でも2ヶ月程度)。
  手術を必要とする。
  保険がきかない。
  
2 義歯
  義歯とは“ 入れ歯 ”のことです。
  利点として
  治療のために周囲の健全な歯を削る必要性がない。
  型を取れば、約1週間で完成するため、治療期間が短い。
  麻酔もすることがない。
  ほとんどの義歯は保険が適応される(全ての治療の中で最も安価)。
  欠点として
  取り外しのため、食後には取り外し、清掃が必要になる。
  食事や会話中に取れたりする可能性がある。
  プラスチック製のものが口の中に入るので、違和感が強い。
  部分義歯の場合、義歯を安定させる金具がつき、審美性に問題がある。
  義歯を固定する歯が歯周病等の場合、金具で支えている歯に負担がかかる。
  等があります。
  多くの方はこの義歯を希望しないのが現状です。

3 ブリッジ
  ブリッジは欠損部の両側の歯を削り(全周約1〜2ミリ程度削る)、欠損 
  部を含めた被せ物を装着するものです。
  利点として
  固定式のため、義歯のように取り外すことがないため、違和感が少ない。
  歯を削り、型を取れば、1週間程度で完成する。
  欠点として
  歯(ケースによっては健康な歯を)を削る必要性ある。
  保険の場合、奥歯は金属製である。
  ポンティックが存在するため、その形
  態により清掃性や発音に問題が生じる可能性がある。

ここで、ようやくポンティックがでてきましたね。
このポンティックについての詳細は後で解説しますので、
ここでは上記の欠損部に対する3つの治療法について理解して下さい。
  
以下は、インプラント義歯ブリッジの比較写真です。

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クリックすると拡大されます。





次回のブログは2/7(木曜日)になります。
次回のテーマは『欠損を治療する3つの方法の続き』と『ポンティックとは?』です。

今週(2/1〜2/3)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラントを4本埋入した1症例について解説します。

骨の状態はかなり悪く、欠損状態(歯がなかった期間)が長かったため、
骨の吸収が起ってしまっていました。
こうした歯がない部分の骨吸収はよく起ることです。
不適切な義歯の使用や歯が抜けたままにしていると顎の骨は吸収してきます。
骨は機能圧(噛むカ)が加えられることによりその高さや幅は維持されます。
歯周病に問題がなく歯がきちんとあれば顎骨の吸収はほとんどありません。
しかし、抜歯を行うと個人差はありますが、必ず顎骨は吸収していきます。
現在義歯をしている方はわかると思いますが、
義歯を作成しても数年経つと顎骨が吸収するために合わなくなっていきます。
数年おきに顎骨が吸収した分を裏打ちしたり、再製したりする必要性があります。
今回の患者様も歯がなくなってから10年以上経過していました。

もちろん、歯がなくなった原因にもよりますが、
歯周病が進行していたり、歯の根が折れた状態でいると 骨はどんどんと吸収してしまいます。

  この続きおよび詳細は以下をご覧下さい。(クリックして下さい)
   ・歯がないと顎の骨はどんどんと吸収していきます!

下顎において骨の垂直的な吸収が大きい場合、一番問題となるのは、下顎神経との関係です。

下顎神経(下歯槽神経)は通常、骨吸収がない場合、下顎の下方1/3〜1/4ぐらいに位置しています。(個人差はかなりあります)

下の写真は下顎神経を表した下顎の透明模型です。
赤い線が下顎神経です。
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クリックすると拡大されます。







歯周病等で骨が吸収した場合、骨は 歯がある下顎骨の上部から吸収が始まりますので、
骨吸収があるとインプラントを埋入する際には骨の高さが不足します。

下の動画は、骨の吸収を解説したビデオです。
お時間がある方はご覧になって下さい。(4分51秒)



インプラントと神経の位置関係ですが、
約2〜4ミリ程度の距離が必要です。

つまり、下顎神経の上2〜4ミリの位置までしかインプラントの埋入はできません。

今回は、下顎神経(下歯槽神経)までの距離が12ミリでしたので、安全性を考え、8ミリの長さのインプラントを埋入しました。

下顎神経までの距離は2ミリあれば、問題ないという論文学的なデータもありますが、
インプラントを埋入する際の機械的刺激も影響されることがありますので、
3〜4ミリは距離をとった方が不難です。

そのため、今回は下顎神経まで4ミリの距離を保つために、8ミリの長さのインプラントを選択しました。

こうした神経との関係にはきちんとした検査が必要です。
    この詳細は以下を参考にして下さい。(クリックして下さい)
     ・SimPlantの導入(コンピュータによる最先端インプラントシュミレーションソフト)
   
使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ8mmが4本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。
インプラントの埋入本数が少なかったり、
インプラント手術に際し、さほど不安がない方にはこうした簡単な麻酔方法でインプラント埋入を行います。
もし、インプラント治療に不安がある場合には
『静脈内鎮静法』
にて麻酔を行います。

骨のには大きな問題がなかったために、 『GBR法』は必要ありませんでした。


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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
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Profile

インプラント歯周病...

     院長履歴

1993年 神奈川歯科大学卒業
1993年 同大学歯周病学講座
      入局
1999年 日本歯周病学会
      専門医取得
1999年 東京都にて杉山歯科
      医院開業
2003年 I.T.Iメンバー認定
2005年 国際口腔
      インプラント
      学会認定医取得
2006年 大船駅北口歯科
      インプラント
      センター開業

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