最新インプラント症例:日本歯周病学会歯周病専門医、国際インプラント学会認定医

インプラントなら横浜の大船駅北口歯科  神奈川県横浜市(JR大船駅北口から徒歩3分)にあります 国際インプラント学会認定医、日本歯周病学会専門医です。 インプラントのマニアックな情報を掲載しています。

2009年03月

ショートインプラント

3/30(月曜日)です。
今日も始めは、今までのおさらいになります。

上顎の奥歯は、骨が吸収していることが多いことと、上顎洞が存在するため、
インプラントを行うことが困難になることを シリーズ(2/26〜前回まで)で
解説してきました。

そして、上顎の奥歯において、骨吸収が大きく、インプラントが困難なケースでは、
『ソケットリフト法』
サイナスリフト法
を行う行い、インプラントを埋入することを解説してきました。

『ソケットリフト法』は、患者様に負担が少なく、治療としては、簡単な方ですが、
適応症としては、骨の高さがある程度(5ミリ程度)は、残っていないとできない方法です。

それに対し、 サイナスリフト法は、骨の高さがもっと少なくても、 骨移植を行うことによりインプラント埋入が可能になります。
しかし、この 骨移植が治療を受ける患者様には、大変なのです。
治療後の腫れ等が大きくでます。

そこで、前回は、上顎の奥歯にインプラントを埋込むための骨の高さが少ない場合、
親知らずにあたる部分にインプラントを埋入する『上顎結節を利用したインプラント傾斜埋入法』について解説しました。
これは、上顎の奥歯にあたる骨が吸収しても、
さらに奥にある『上顎結節』という部分の骨は、
吸収しなく、残っていることが多いことを利用した方法なのです。

この『上顎結節を利用したインプラント傾斜埋入法』を応用することにより、
骨移植を行う、 サイナスリフト法を避けることが可能になる場合もあります。

今日は、骨吸収により、インプラントを埋入するための 骨の高さが少ない場合の他の治療法について解説します。

『ショート・インプラント』というテーマです。
インプラントを埋入するためには、できるかぎり長いインプラントを埋入することが重要です。
特に上顎においては、長いインプラントが重要になります。
その理由として、上顎と下顎では、骨の硬さに違いがあるからです。
下顎と比較して上顎の骨は、軟らかいのです。

例えてお話すると、家を建てる時、
硬い地面に 土台となる クイ を打ち付けるのと、
軟らかい地面に クイ を打ち付けるのでは、違ってくるかと思います。
軟らかい地面であれば、より強固にするために、できるかぎり長い クイを打ち付けた方が
安定が良いのです。

軟らかい上顎の骨においても同様のことが言えます。
通常、下顎より長いインプラントを埋込むように治療計画を立てます。

しかし、現実問題として、
今回のテーマでもある上顎の骨は、上顎洞の存在や骨吸収によって
インプラント埋入が困難なことが多いのです。

現実的には、長いインプラントを埋込むことが難しいのです。

そこで、インプラントの埋入本数を増やす方法が考えられます。
長いインプラントが無理であれば、
インプラント自体の長さは、短いが、本数を増やすことにより、
強度を得ようという 考え方です。

上顎の奥歯において、骨移植を避けたい とご希望される患者様には、有効な方法の一つになります。

このことは、文章で説明するよりも症例を見ていただいた方が分かりやすいので、
以下を御覧になって下さい。
治療前
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治療後
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クリックすると拡大されます







次回のブログは4/2(木曜日)になります。

今週(3/27〜29)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。


本日ご紹介するケースは、現在 上顎に残っている歯が 5歯のみの患者様です。
インプラント治療期間中に問題となるのが、治療中の仮歯(仮義歯)をどうするか
ということです。

インプラント治療は、時間がかかります。
通常、インプラントを埋込んでから 骨と結合(くっつく)まで、
上顎で約3〜4ヶ月、
下顎で約2〜3ヶ月かかります。
(骨吸収の状態等では、さらに治療期間がかかることもあります)

この治療期間中をどうするのかが、大きな課題です。

骨の状況等によっては、即時加重(負荷)・インプラント という方法があります。
この方法は、インプラントを埋め込むと同時に、固定式の仮歯をインプラントにつける方法です。
インプラント手術当日に固定式の仮歯になりますので、
患者様には、非常に喜ばれます。
例えば、今まで総入れ歯を使用していた方でも
インプラント手術当日に、固定式になりますので、
患者様からは、
『手術当日から噛めるようになった!』
と大変喜ばれます。

しかし、この 即時加重(負荷)・インプラント は、全てのケースで適応できるわけではありません。


さて、話を今回の症例に戻します。

患者様は、上顎に5歯のみが残っている状態でした。
そのうち1歯を完全にダメな状態です。
抜歯ということです。
残りの4歯もかなり状態は、良くありません。
最終的には、ダメになる確率が高いのです。

患者様は、治療期間中は、義歯の装着は、どうしても避けたいというご希望がありましたので、
残っている4歯のみで、固定式の仮歯を作製し、インプラントの治療期間中は、
この仮歯を使用していただき、インプラントと骨が結合(くっつく)した後、
インプラントの仮歯と交換する治療計画を立てました。

今回埋入部位は、骨吸収もあり、
『スプリッティング法』
『GBR法』
『ソケットリフト法』
を行いました。

骨の増大をさらに促進させるために、 『 P.R.P法 』も併用しました。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラント 長さ11ミリが4本です。

麻酔は、静脈内鎮静法です。
この麻酔方法は、治療中は、寝ている状態で行えますんので、
患者様の不安等がなく、楽な麻酔方法です。



治療費
インプラントが1本21万円(税込)×4本です。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、
今回のスプリットクレスト法、GBR法、ソケットリフト法、PRP法の費用も含まれています。


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インプラントの傾斜埋入

3/26(木曜日)です。

前回までに 上顎の奥歯において、高度に骨吸収が起っている場合、
『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』を行う必要性があることを解説してきました。
具体的には、残っている骨の高さが5ミリ以下の場合、『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』が必要になってくる可能性が高いのです。

そして、『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』を行うためには、
骨移植が必要になってきます。
これが、大変なのです。

そして、『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』を避けるための一つの方法として、『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』があります。
これは、上顎の親知らずの さらに奥に存在している 骨の出っ張り部分 を利用し、
インプラントを埋入するというものです。
この親知らずの奥の骨の出っ張りを『上顎結節』と言います。

しかし、この『上顎結節』は、親知らずのさらに奥にあるので、
インプラントを埋入するためには、斜めに埋入することになります。
このため、『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』
と言うのです。


まず、『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』症例を見ていただきます。

下のレントゲン写真が治療前の状態です。
赤色の点線が上顎洞の位置で
緑色の点線が骨の外形です。
中央部には骨の高さがほとんどないことがわかります。

治療方法として サイナスリフトはせず、奥にインプラントを傾斜埋入させて行うことにしました。
同部分を拡大(抜歯前になります)したのが右側の写真です。
抜歯前の状態を見ると 骨が根の先までないのがわかります。

keisya1
クリックすると拡大されます。






下のレントゲン写真が治療後の状態です。
このようにインプラントの傾斜埋入を行うと、サイナスリフトや骨の移植手術を行わないで治療を行えます。
しかし、インプラントを斜めに埋入する部位が存在しなければもちろん行えません。
左のレントゲン写真が全体像で右のレントゲン写真がインプラント部分のみの拡大像です。
keisya2
クリックすると拡大されます。





それでは、『上顎結節を利用した傾斜埋入』の問題点は、あるのでしょうか?

まず、先程記載しましたように、上顎結節にインプラントを埋込むための 骨が存在する必要性があります。

上顎結節は、比較的吸収しにくく、親知らずにあたる部分の骨が吸収しても
上顎結節のみ骨が残っていることも多くあります。
しかし、中には、上顎結節の骨も吸収している方もいらっしゃいます。

また、上顎結節は、他の部位に比較して、
骨の硬さが軟らかい場合が多いのです。

一般的に、上顎と下顎の骨を比較すると、
上顎の骨の方が 圧倒的に柔ららかいのですが、上顎結節は、さらに軟らかい傾向が強いのです。

そのため、上顎結節にインプラントを埋入するためには、
事前に、CT撮影等で『骨密度』を計測することも有効です。

さらに、通常よりも長いインプラントを埋入したり、
太いインプラントを埋入することも有効な手段となります。


次に、斜めにインプラントを埋込むことには、問題はないのでしょうか?
インプラントを斜めに埋込むことには、問題はありません。
ただし、この場合には、複数のインプラントで連結することが前提になります。

埋込むインプラントが1本のみの場合には、斜めにインプラントを埋込むと場合により、
問題となることがあります。

しかし、複数のインプラントを埋入し、その1本が斜めであった場合には、
逆に維持力が増し、インプラントの生存率が高くなる
という論文も多く存在します。

次に、欠点としては、親知らずのさらに奥に埋入するため、
完成した被せ物は、かなり奥まで 歯が存在することになります。
このため、治療後には、歯ブラシが行いにくくなります。
ブラッシングがきちんとできない方には、適していない方法となります。

また、技術的にも難しい治療になります。
上顎結節の大きさは、結構狭いものなので、この部分に適切に
インプラントを埋込むことは、技術的には難しいのです。

ただし、骨の状態等の条件さえ合えば、『上顎洞底挙上術(サイナスリフトリフト法)』のように骨移植を行わないので、
患者様に対して、負担も少なく、治療期間も圧倒的に短くできます。

『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』は、上顎の奥歯において、骨吸収があり、インプラントが適切に行えない場合には、非常に有効な治療の一つになります。

次回のブログは3/30(月曜日)になります。

話が長くなってしまいましたので、今週のインプラント手術報告はお休みさせて頂きます。


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サイナスリフト法:その65

3/23(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『サイナスリフト法:その6』になります。

本日までで、サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)は、
上顎の奥歯において、骨の吸収が大きい場合に行う方法であり、
治療を行うためには、骨移植が必要であることを解説しました。

また、この骨移植には、ご自身の骨と人工の骨を混合し、使用することも解説してきました。

そして、最も重要なことは、このサイナスリフト法(上顎洞底挙上術)は、
治療に対する反応が強く起ることも解説してきました。

治療に対する反応とは、治療後の腫れ や 痛み です。

サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)を行うと治療後の腫れはかなり強く起ります。
このため、治療を受けられる患者様にとっては、
日常生活を行う上で支障となることが多く、
『骨移植を行ってまで…』という方が多いのも現状です。

それでは、骨吸収が大きい方で、
通常では、インプラントが行えない場合で、
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)を行わないとインプラントができないと判断されたケースでは、
他に方法はないのでしょうか?

骨移植(サイナスリフト法)を行わないで、インプラント治療を行う他の方法として、
いくつかのことが考えられます。

その一つが『上顎結節を利用した傾斜埋入』です。

下の写真を見て下さい。
上顎の左右の奥歯が欠損しています。
緑の線が現在の骨の位置を示しています。
赤い線が上顎洞底の位置を示しています。
奥歯にあたる位置では、上顎洞が下がってきており、
骨の高さが少ないことが分かるかと思います。

sainasurifuto1
クリックすると拡大されます。





赤い線緑の線 の中央部分では、隙間が少ないのです。
つまりこの部分には、インプラントを埋込むための
骨の高さが存在しないのです。

具体的には、赤い線緑の線 の中央部分では、
骨の高さが約2ミリ程度しか存在しません。

安定するインプラントを埋入するためには、骨の高さは10ミリ程度は必要です。
つまり、赤い線緑の線では、インプラントを埋込むことができないのです。

もし、この部分にインプラントを埋入するためには、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)が必要になるのです。

そこで、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を避けるための方法が
『上顎結節を利用した傾斜埋入』です。

『上顎結節』とは、上顎の『親知らずに当たる部分』です。
  (実際には、親知らずのもう少し奥になります)

先程のレントゲンで 最も骨の吸収があるところ(赤い線緑の線)が、奥歯に当たる部分で、
『上顎結節』は、さらにその奥になります。

『上顎結節を利用したインプラントの傾斜埋入』は、
骨移植を行う 上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を避けるため、
『上顎結節』に斜めにインプラントを埋込む方法です。

解説するよりも、実際に症例を見ていただいた方が分かりやすいと思います。
下のレントゲンは、最初にあったレントゲン写真の症例に対し、
『上顎結節』に傾斜埋入を行った症例です。
sainasurifuto1
クリックすると拡大されます。






次回のブログは3/26(木曜日)になります。

今週(3/19〜22)のインプラント手術報告

本日紹介する『今週のインプラント手術』は、簡単な症例です。
簡単というのは、インプラントを埋込むための 骨の高さ や 幅が 十分存在しており、手術時間も短く、手術後の腫れ 等も非常に少ない ということです。

しかし、最近、このような簡単なケースは、少なくなってきています。
骨の吸収が非常に進行しており、インプラントが難しいケースが多いのが現状です。

骨が吸収してしまう原因として、
悪い状態を放置することです。

例えば、歯周病です。
歯周病は、歯周病細菌による感染症が主な原因です。
歯周病細菌により歯を支えている骨が吸収どんどんと進行していき、
最終的には、歯がグラグラし、抜けてしまうのです。

問題なのは、このような 歯がグラグラしている状態で抜歯した場合です。
骨の吸収が起っているため、その後にインプラント治療が難しくなってしまうのです。

インプラント治療の中には、骨を再生させる治療法もあります。
GBR法といった治療法がその一つです。

しかし、GBR法は、魔法の治療法ではありません。
GBR法を行えば、どのような状態でも元の状態に回復できるわけではありません。
また、一番大変なのは、治療後の腫れ 等です。
治療が複雑になればなるほど 治療後の反応も強くでます。

骨が吸収しないように 早めに対応することが重要です。
また、歯周病の場合、早めに治療を行えば、抜歯になることはありません。

話は、症例に戻ります。
骨の幅が十分存在していたために、骨の増大法等を行わずに
インプラントの埋入を行うことができました。

手術時間も麻酔を除けば、5分程度でした。
多少は、腫れる可能性もありますが、治療後に大きく痛みがでたりすることは
まずないと思います。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント) SLAタイプ 直径4.8ミリが1本でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。
以外に治療回数はかからないものなのです。

治療費
今回の手術を含め、治療費は、
インプラントが 21万円(税込)、
最終的な被せ物が 105.000円(税込)ですので、
合計で315.000円(税込)になります。

この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用も全て含まれています。



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サイナスリフト法:その54

3/19(木曜日)です。

昨日は、WBC(日本×韓国)残念でしたね。

今日は、キューバ戦ですのでがんばっていただきたいものです。

さて、今日は木曜日ですが、診療です。
明日(3/20:金)が祝日のため、かわりに診療になります。

今日も前回の続きで、『サイナスリフト法:その5』になります。

今までの4回で、上顎の奥歯に骨の吸収がある場合には、
インプラント治療が難しくなることが多いことを解説してきました。

そして、骨吸収の程度を具体的な数値としてあらわすと、
骨の高さが5ミリ以下の場合には、通常の方法でインプラントを埋込むことは困難になることが多く、
骨の移植を行い、骨の高さの増大を待ってから インプラントの埋込みを行うことが必要であることを解説してきました。
その方法が上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)です。

そして、骨の移植方法として、患者様ご自身の骨 と 人工の骨を混ぜて使用することが多く、
治療に際しては、治療期間が長くなったり、
治療後の腫れが多くでたりする確率が高い治療であることも解説してきました。

治療自体は、結構大変です。
そのため、患者様にもあらかじめ、大変であることをお話します。
しかし、現実問題として、
『上顎の奥歯が欠損しており 噛めない!』 とか
『入れ歯が会わない!』 
と言った理由でどうしてもインプラントを行いたい という方も多くいらしゃいます。
骨の高さがある程度あれば、特に問題なくインプラントは行えますが、
骨吸収が非常に進行している方もかなりいらっしゃいます。

当医院でもサイナスリフト法は行います。

しかし、それでも年間で10症例はいかない程度です。
(少ない年度では5症例以下です)

また、骨の吸収程度 や 範囲(欠損歯数)によっては、行わないケースも存在します。
つまり、あまりにも骨吸収の範囲や吸収程度が大きい場合には、
上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)自体もさらに難易度が高くなってまうのです。

また、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を行った場合の治療期間ですが、
かなり長くかかります。

通常、骨に大きな問題がなく、上顎においてインプラントを埋入した場合、
インプラントと骨が結合するまで約3〜4ヶ月です。

しかし、骨吸収が大きく、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)行った場合、
骨ができるまでに6ヶ月〜1年かかります。
その後、インプラントの埋入になりますので、治療期間は非常に長くかかってしまいます。


今日でこのサイナスリフト法の話は最終回ですが、大切なことは、
このような骨吸収が起らないうちに対応することです。

つまり、 歯周病を放置したり、
歯根破折を放置したり、
歯がないままにしないことです。


次回のブログは3/23(木曜日)になります。

今日は、これで終了します。

今から WBC(日本×キューバ)を見なければなりません!!
がんばれニッポン!!


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サイナスリフト法:その44

3/16(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『サイナスリフト法:その4』になります。

今、WBC(日本 × キューバ 戦)を見ながらブログを書いています。


前回もだいぶ難しい話になっています。

ここまで、上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を行うためには、
上顎洞内部に骨の移植が必要であり、
移植する材料は、ご自身の骨(自家骨)と人工骨があり、
人工骨の中には、βーTCPという材料があることを解説してきました。

それでは、今日は、自家骨というテーマで解説していきたいと思います。

自家骨は、ほとんどの場合、患者様の口腔内から採取することは前回解説しました。

『オトガイ』と言われる顎の先端 や 下顎枝と言われる奥歯の後方 から採取します。

上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を患者様にお話する時に、よくご質問されることがあります。
それが、以下のようなことです。

1.顎の先端から骨を取った場合、その部位はどうなるのですか?
  骨を取った穴は再生するのですか?

2.骨を取ったりすると 顔が変形したりしないのですか?

3.骨を採取するなんて怖いのですが、痛みはありますか?

4.治療後、腫れたりしますか?

5.入院は必要ですか?

6.骨の移植とすると骨は、本当にできるのですか?

以上のようなご質問が多くあります。
順番に回答します。

まず、骨を採取した部位ですが、骨は再生しますのでご心配しないで下さい。

次に骨を採取すると顔が変形するかどうか ということですが、
これも問題ありません。

次に痛みがあるかどうか ということですが、
治療中は、静脈内鎮静法という麻酔を行いますので、痛みはありません。
この麻酔は、寝ている状態になりますので、治療中のことは覚えていません。
しかし、治療が終了し、麻酔が切れた後には、痛みを伴うことがあります。
半数以上の患者様においては、痛みは多少あるが、痛み止めで治まる程度であり、
食事等にも問題はない という程度です。
しかし、少数ですが、数日間痛みが続いた という方もいらっしゃいます。

次に腫れたりするか? ということですが、
腫れます。
今まで私が上顎洞底挙上術(サイナスリフト法)を行った中で、
まったく腫れなかった方は、1人だけです。
ほとんどの方が腫れます。
どの程度腫れるか ということですが、
最も多いケースで、3〜5日程度、顔が大きく腫れます。
中には、顔に アザ ができる方も いらっしゃいます。
アザ ができる理由として、内出血があります。
わかりやすく解説すると
転んだりした場合にできる 赤アザ や 青アザ のようなものです。
皮膚の下に内出血が起るために、アザができるのです。
もし、内出血ができても 手や足であれば、洋服で隠れたりしますが、
顔はそういうわけにはいきません。
見えますから…

もちろん そうしたことは 必ず起るわけではありませんが、
一応、一時的ですが、顔に アザ のようなものができる可能性があることをご理解して下さい。
当然のことながら アザ は一時的なことであり、時間の経過とともに治ります。

次に入院は必要ですか? ということですが、基本的には必要ありません。
外来で行えます。
しかし、大学病院等の入院設備がととのっている医療機関では、入院することがあります。
また、自家骨を採取する部位が口腔内以外であった場合には、入院が必要になります。

最後に骨移植をすると骨は本当にできるのですか? ということですが、
移植した骨を100 %とすると
全て骨になるのではありません。
移植した骨のある程度は、吸収してしまいます。
30%程度は、吸収してしまいます。
しかし、この吸収程度には、差があります。
さほど吸収しない方もいらしゃいますが、かなり吸収してしまう方もいらっしゃいます。
そのため、骨移植を行った後 数ヶ月してからレントゲンで検査し、
骨の再生程度を確認します。
骨の再生が悪い場合には、再度骨移植を行う可能性もあります。
ただし、こうしたことは確率としては非常に低いものです。


次回のブログは3/19(木曜日)になります。
また、この続きになります。

WBC(日本 × キューバ戦)先程勝ちました!
朝から見ていました!

3/19(木)は、診療致します。


今週(3/13〜15)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

上顎の前歯部が欠損している高齢の患者様です。
現在は、ブリッジをしていますが、ブリッジの土台が折れてしまったために、
インプラントを行うことになりました。

折れてしまった原因は、 歯根破折です。
歯根破折は、神経がない歯で高頻度で起ります。
神経のない歯はリスクが非常に高いと思って下さい。

患者様は、上顎の前歯が4歯欠損しており、ブリッジの土台として、欠損の隣の2歯(左右犬歯)を使用していました。
左右の犬歯とも神経がない歯でした。
その左右とも折れていたのです。

治療方法として、一般的には、左右の犬歯を抜歯と同時に 仮の義歯(入れ歯)を装着します。
しかし、患者様は、義歯(入れ歯)の装着をご希望されませんでしたので、
他の治療方法を考えることにしました。

まず、抜歯はせず、欠損部にインプラントを埋入し、
骨とインプラントが結合するまで待ちます。

インプラントと骨が結合するまでは、現在のブリッジをそのまま使用していただきます。
そのため、治療期間中は、義歯(入れ歯)を使用せず、現在と変わらない状態でいられます。

そして、インプラントを骨が結合したら、左右犬歯を抜歯し、インプラントを土台とした
仮歯に変更します。

これにより治療期間中の生活には変化はありません。


さて、インプラント手術ですが、欠損部位は、
歯がなかった期間が長かったため、骨吸収が起っていました
そのため、 『スプリッティング法』を行い、骨の幅を増大させ、さらに骨の幅を増大させるために、 『GBR法』を行いました。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントです。

麻酔方法は、静脈内鎮静法でした。




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サイナスリフト法:その3

3/12(木)です。


今日も前回の続きで、『サイナスリフト法:その3』になります。

上顎の奥歯が欠損している場合、骨が吸収しており、インプラント治療が困難になることが多いということを
何回かに分けて解説してきました。

特に、骨の高さが5ミリ未満の場合には、骨の移植を伴う、サイナスリフト法という治療を行う可能性が高いことを解説しました。

ただし、このサイナスリフト法は、大変な治療でもあります。
骨が吸収しているため、骨を増大させるために、骨の移植が必要なのです。
そして、移植する骨は、人工骨ご自身の骨(自家骨)を半分づつ混ぜて使用する方法が一般的です。

自家骨は、ほとんどの場合、患者様の口腔内から採取します。
手術部位に近いところから採取する場合もありますが、
多くは、下顎骨から採取します。
『オトガイ』と言われる顎の先端 や 下顎枝と言われる奥歯の後方 から採取します。

しかし、これが大変なのです。
大変と言うのは、痛みがあるということではありません。
治療は、もちろん麻酔(通常、静脈内鎮静法と言われる麻酔です)をしますので、ご心配はまったくいりませんが、治療後の腫れがかなり起ります。

もし、腕 や 足 をを手術したのであれば、腫れたとしても 洋服 や スボン 等で隠れて見えないものです。
しかし、お顔が腫れた場合、どうしても 日常生活に支障を及ぼすことになります。
これが患者様にとって大変なのです。

そこで、患者様の口腔内から骨を採取しないで行う方法はないのか?
ということも考えられます。
人工骨だけでサイナスリフト法は行えないのか?
人工骨だけを使用するのであれば、下顎の骨から骨を採取しないので、
治療時間もっからず、治療後の腫れも最小ですみます。

確かに、骨移植を行う際、自家骨を使用しなければ、患者様にとっても、
治療を行う歯科医師にとっても大変 楽なことです。

実際に、サイナスリフト法を行っている歯科医師の中には、人工骨のみを使用している手術を行っている方もいます。

そして、人工骨のみを使用した サイナスリフト法 の臨床報告も行われています。
私自身も 良好な結果であった症例を見たことがあります。

しかし、こうした人工骨のみのサイナスリフト法は、まだ100%信頼できる方法ではありません。

それでは、次にこの人工骨について解説します。
人工骨には、主に以下のような種類があります。

1. ハイドロキシアパタイト
2. リン酸三カルシウム(TCP)
3. 硫酸カルシウム
4. 炭酸カルシウム
5. 生体活性ガラス

そうした中でも使用頻度が高い、ハイドロキシアパタイト と  リン酸三カルシウム(TCP)について解説したいと思います。

かなり難しい話にはなりますが、ご興味のある方はどうぞご覧になって下さい。

『リン酸三カルシウム(TCP)』の正式名称は『Tricalcium phosphate』と言い、
その組成は、Ca3(PO4)2 で 骨材料として使用されるものとしては 2種類の 変態 があります。

変態 というのは組成が同じで 結晶構造の異なる物質のことです。
その一つがβ型であり、今回解説する『β-TCP』になります。

しかし、『β-TCP』自体が骨になるわけではありません。
『β-TCP』が上顎洞内部に移植された後、周囲の骨の細胞(御自身の生体内で生きている骨の細胞です)が『β-TCP』に入り込み 次第に骨に置き換わっていきます。

ここで、『β-TCP』自体の話をしたいと思います。
もともと『β-TCP』は、リン酸塩の粉末を 加圧下、1000〜1300℃で 焼成されたものです。
『β-TCP』は、歯科の臨床上小さな顆粒状態で使用されます。
使用する用途により異なりますが、大きさはコマ粒程度です。

この顆粒状の『β-TCP』を上顎洞内部に入れるのです。
しかし、『β-TCP』自体は、硬い骨ではありません。
先程書きましたようにご自身の骨の細胞と交わり、少しずつ骨に変わっていくのです。

この時に、ご自身の生きた骨の細胞が多く存在していた方がより、骨になりやすいのです。

『β-TCP』は、人工骨ですが、これ自体が本当の骨にはならないのです。

そのため、『β-TCP』を使用する場合には、自家骨(ご自身の骨)と混合して使用した方がより効果が高いと言えます。

この続きは、3/16(月曜日)になります。




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サイナスリフト法:その2

3/9(月曜日)です。
最近2回は、上顎の奥歯に インプラントを埋込むための 骨の高さが存在しない場合、
ソケットリフト法が有効な方法であることを解説してきました。
しかし、骨の高さが5ミリ以下であれば、ソケットリフト法は適していなく、
サイナスリフト(上顎洞底挙上術)が適していることも解説しました。

それでは、このサイナスリフト法(上顎洞底挙上術)を行えば、
『インプラントが可能なの?』
ということになります。

この答えの前にサイナスリフト法についてもう少し解説します。

まず、上顎洞という存在について再度解説します。
下図のように上顎洞は、上顎の奥歯の上方に存在する空洞です。
bb98fe1b.gif
クリックすると拡大されます。




Aの図は、奥歯がまだ、存在する状態です。
歯がある状態で上顎洞までの距離があり、十分な骨の高さがあります。

Bの図は、上顎の奥歯を抜歯した状態です。
歯を失った後でも上顎洞までの距離があり、十分な骨高さがあります。
インプラントを行うのに問題はありません。

Cの図は、歯周病等で骨が吸収してしまったために 上顎洞までの距離がなくなり、インプラントを行うのに十分な骨の高さがない状態です。
上顎にインプラントを希望する患者さんの多くは(60%以上)このような状態です。
このように、歯を抜いた場所は年々やせて、場合によっては1〜2mm程度の幅しかない方もいらっしゃいます。

さて そのような骨吸収により 骨の高さがほとんどなくなってしまった状態が下図になります。
22
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サイナスリフト法の治療方法としては、上顎洞の側面から切開をし、上顎洞内部に“ 穴 ”を開けます。

この側面から開けた“ 穴 ”から移植材をいれます。
33
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移植を行うことにより、上顎洞は、上図の点線の位置から押し上げられ インプラントを行うのに十分な高さを得ることができます。

文章にすると簡単そうに思えますが、実際はそうではありません。
まず、なにが大変なのかと言いますと、
移植材の問題です。

移植材として主に使用されるのが、『自家骨』です。

『自家骨』は、患者様ご自身の口腔内から採取するのがほとんどです。
これが、患者様にとっては大変なのです。

もちろん、麻酔を行いますので、痛みはありませんが、
治療後の腫れ等がかなり起ります。

それでは、『自家骨』以外の方法はないのでしょうか?
『人工骨』を使用する方法もあります。

人工の骨ですから、患者様の口腔内から取ってくる必要性もありません。

『そんないい方法があるのであれば、人工骨で行いたい!』
と思うかもしれません。

しかし、現在時点の見解しては、人工骨のみでは、骨の再生が十分とは言えません。

歯科医師の中には、サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)を行う際に、100%人工骨のみを使用しているという報告も確かにあります。

しかし、こうした報告は、まだ、確実な方法ではなく、
現時点では、『自家骨』『人工骨』を半分づつ、混合して使用することが良いとされています。

次回のブログでは、こうした点についてさらに詳細を解説したいと思います。

次回のブログは3/12(木曜日)になります。


今週(3/6〜9)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。


昨日のインプラント手術は、上顎に2本しか歯が残っていない患者様のインプラントでした。

残っている2本の歯は、すでに 歯根破折しており、抜歯するしかない状態でした。

2本の歯を抜歯してしまうと、上顎は完全に歯がなくなってしまいます。
いわゆる総義歯です。

そこで、今回は、残っている2本の歯を抜歯すると同時に、7本のインプラントを埋入し、手術当日に固定式の仮歯を装着する方法と行いました。

手術当日に固定式の仮歯になりますので、今までの義歯は、全く使用しないことになります。

こうしたインプラントの方法を『インプラント即時荷重(負荷)』と言います。

インプラントの埋入本数が多いため、治療時間がかかります。

手術自体は、朝9:40から開始しました。
まず、麻酔科医による静脈内鎮静法を行います。
この麻酔により、患者様は、眠った状態になります。
手術中は、づーっと眠った状態ですので、痛みもご心配もまったくありません。

静脈内鎮静法後に、歯肉への麻酔が終了したのが、10:10頃です。

さて、これでインプラント手術が開始です。

まず、 歯根破折している2歯を抜歯しました。

次にインプラントの埋入です。

骨の幅が少ない部分もあり、インプラントをより強固に安定させるため、 『スプリッティング法』という治療方法を併用しながらインプラント埋入を行いました。
この方法は、ドリルをさほど使用せず、骨の幅を押し広げながらインプラントを埋入するこの方法は骨にダメージが加わりにくく、術後の腫れが少ない治療法です。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプであり、 直径4.1ミリ、長さ12ミリ が5本、直径4.1ミリ、長さ10ミリ が1本、直径4.8ミリ、長さ10ミリ が1本の合計7本でした。

また、骨の治癒と再生を促進するため、 『 P.R.P法 』という治療法も併用しました。

さて、インプラントの埋入が完了したのが、11:00頃です。

本来は、ここで終了ですが、
今回は、即時加重(負荷)・インプラント ですので、すぐ固定式の仮歯の作製にかかります。

固定式の仮歯は、あらかじめ作製してあるので、埋入したインプラントに固定するだけです。

でもこの固定が少し大変なのです。
インプラントを埋込む位置はあらかじめ、シュミレーションにより決まっていますが、
実際に手術を行うと、骨の状況等により多少の位置は変わってきます。
そのため、仮歯の最終的な位置や噛み合わせは、埋込んだインプラントに合わせ、調整をしていきます。

仮歯の調整に約80分かかりました。
終了したのが、12:20頃です。
その後麻酔が切れるのを待ち、今後の注意事項のお話をして、
患者様が帰えられたのが、12:50分頃でした。

治療を開始したのが、9:40でしたが、
もちろんまだ、義歯を使用している状態です。
3時間後には、義歯ではなく、固定式の仮歯が装着されたことになります。

今回は、非常に早く治療が終了できたケースです。
通常は、今回より1時間程度かかることが多いです。

おそらく患者様は、数日間腫れるとは思いますが、手術当日から固定式の仮歯になりますし、なにより義歯を使用しなくて良い開放感があります。

即時加重(負荷)・インプラント は全ての症例に適応されることはありませんが、適応症さえ合えば、非常に良い方法です。



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サイナスリフト法:その15

3/5(木曜日)です。
前回は、上顎の奥歯では、インプラントを行うための骨の高さが少ないことが多く、インプラントができなかったり、できたとしても非常に困難な治療になることが多い部位であることを解説しました。

そうしたことから『ソケットリフト法』という治療法が有効であることを
前回(3/2)のブログで解説しました。

しかし、この『ソケットリフト法』は、あまりにも骨が吸収している場合には、適応になりません。

前回のブログでは、5ミリ以上の骨の高さがないと一般的に『ソケットリフト法』の適応ではないことを解説しました。

今日は、その理由と5ミリ以下であった場合の治療法を解説します。

まず、ソケットリフト法を行うにあたり、5ミリ以上の骨の高さが存在しない場合には、
一般的な適応症ではない理由ですが、
ソケットリフト法は、骨の高さと増大すると同時に インプラントを埋込む治療法です。
そのため、埋込んだインプラントが安定することが重要になります。

ソケットリフト法 により 骨の高さを増大する といっても
骨はすぐに増大(再生)するわけではありません。

時間がかかります。

どれくらいかかるかと言いますと、最低3ヶ月以上です。

そのため、骨が増大(再生)するまでの期間は、
もともとあった 骨でインプラントを支えていることになります。

インプラントがきちんと骨の中に埋まらなければ、安定はしません。
インプラントがグラグラしてしまいます。

インプラントが グラグラ している状態では、インプラントと骨はくっつき(結合)しません。

そのため、『ソケットリフト法』を行うためには、
インプラント本体がグラグラせず、安定するための最低限の骨の高さが存在することが大切なのです。
その最低限が高さが5ミリなのです。

もちろんこの高さは、絶対的なものではありません。
埋込んだインプラントが安定する状況であれば、5ミリ以下でも可能なこともあります。

また、ソケットリフト法で高さを増大できる限界もあります。

2〜3ミリ程度しか骨の増大を行えないケースもありますし、
7〜8ミリ程度骨の高さを増大させることもできるケースもあります。
これは、さまざまな条件により変わってきます。

さらに歯科医師自身の技術的な能力にも左右されます。
一般的にソケットリフト法で骨の高さを増大させることができるのは、3〜5ミリが限界であると言われています。

しかし、7ミリも8ミリも骨の増大を行っている症例を見たこともあります。
このようなことは、そうとう経験をつまれた歯科医師であって、さまざまな条件も良かったのでしょう。

一般的には、ソケットリフト法で増大できる骨の高さは、3〜5ミリであると思って下さい。
そのため、もともとの骨の高さが、5ミリであった場合、ソケットリフト法で5ミリの骨の高さの増大を行えば、合計で10ミリの長さのインプラントが埋入できることになります。

上顎の奥歯においては、10ミリ以上の長さのインプラントを埋込むことは大切なことで、
それ以下であるとインプラントの安定は良くありません。
つまり、ダメになってしまう確率が高くなります。

それでは、上顎の奥歯において 骨の高さが5ミリ以下であった場合は、どうすれば良いのでしょうか?

この場合には、サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)という治療法を行います。

これは、ソケットリフト法とは違い、治療自体は、かなり大変になります。
大変というのは、治療後の反応も大変であるということです。

治療後には、かなり腫れます。
そのため、どうしてもインプラントを行いたい人以外には お勧めしない方法です。

次回のブログでは、『サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)』の詳細を解説します。

次回のブログは3/9(月曜日)になります。

今週(3/3〜4)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

昨日インプラント手術を行った患者様は、今回が始めてではありませんでした。

初診時にいらした時には、
下顎の左右奥歯が欠損、
上顎の右側の奥歯が欠損していた患者様でした。
このような場合、最も早く治療を完了させるためには、全て同時にインプラント治療を進行させることが良いです。
上顎は 約4ヶ月、下顎は 約3ヶ月で噛めるようになります。

しかし、一度に全てのインプラントを埋入することには、問題が生じることもあります。

まず、治療を受ける患者様にとってインプラント治療が始めての場合、さまざまな不安があると思います。
そのため、まず、1カ所、1本から始めたいと思っていられる方も多くいらしゃいます。

さらに一度にインプラントを行った場合、治療後の腫れも強く出る可能性も高くなります。
腫れが起った場合、仕事にも影響するのでは…と考えている患者様もいらしゃいます。

また、治療費の問題もあります。
一度に全てのインプラントを行うと治療費も高くなります。
そのため、例えば、今年は 右側だけ、来年に左側を行う といった方法を取る方もいらしゃいます。
もっと分けて行う方もいらしゃいます。

さまざまな理由からインプラントの埋入を分けて行うのです。

話は、今回の症例の患者様に戻ります。
今回の患者様は、一番最初に上顎のにインプラントを埋入し、被せ物まで完了させ、
次に下顎の右側を行い、被せ物まで完了させ、
今回、左側の奥歯のインプラント埋入手術をなりました。

そのため、治療期間は非常に長くなりましたが、一度に全て行うことは、治療後の食事や腫れ等に不安があるので分けて行いたいという理由からでした。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント 直径4.1ミリ、長さ10ミリでした。

下顎ですので、約2〜3ヶ月後に型を取ります。


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ソケットリフト法:その22

3/2(月曜日)です。
昨日は、当ビル全館清掃のため、休診でした。

早いもので今年も もう3月です。

さて今日は、前回の続きで、『ソケットリフト法:その2』になります。

前回は、上顎の奥歯にインプラントを行う際は、困難になることが多いことを解説しました。
この理由として、上顎の上方には、『上顎洞』という空洞が存在しているたです。
また、 歯周病 歯根破折 歯が欠損した状態を長く放置しておくといったことが起ると、骨が吸収してきます。
骨が吸収するとインプラントを行うことができなくなってしまいます。
このことは、このブログを読んでいる方は、もうすでにおわかりのことと思います。

そこで、上顎の奥歯において 骨が吸収してしまった場合の治療方法として、『ソケットリフト法』があることを前回解説しました。

それでは、どれくらいの骨が吸収しているとインプラントが困難になるのでしょうか?

インプラント治療を行う際に、インプラントの長さは 長ければ 長い程 有効です。
できるかぎり 長いインプラント を骨の中に埋込むことが
インプラントの長期的安定にとって非常に重要なことです。

インプラントの必要な長さは、決まっているものではありません。

上下顎、骨の硬さ(軟らかさ)、前歯、奥歯、欠損部位、欠損歯数、噛み合わせ…等
さまざまな条件により変わってきます。

例えば、上顎と下顎では、基本的に骨の硬さが違います。
顎の骨は軟らかく顎の骨は硬いのです。

もちろん硬い骨の方がインプラントを行うためには、優れている点が多いのです。
そのため、『下顎は 短いインプラント』、『上顎は 長いインプラント』が必要になります。

また、奥歯と前歯ですが、奥歯の方が噛む力が加わりやすいため、長いインプラントが有効になります。

こうしたことを考慮すると上顎の奥歯は、インプラントを行うためには、非常に厳しい条件になります。
さらに上顎洞の存在もあり、こうしたことがインプラント治療を難しくしているのです。

それでは、具体的にどの程度のインプラントの長さが必要なのかと言いますと、
10ミリ以上の長さはあった方が無難であると考えます。

しかし、多数歯欠損であった場合、その中の1部位のみであれば、短いインプラントでも 問題とならないこともあります。
例えば、上顎の奥歯が3歯欠損していた場合、骨の高さにまったく問題ない場合には、2本のインプラントを埋入し、ブリッジとすることでも大丈夫です。

しかし、骨の高さが少ない場合には、3本のインプラントが必要なこともあります。
その時、2本のインプラントは10ミリの長さのインプラントで、
残り1本が8ミリ程度のインプラントしか埋入できない場合でも
3本のインプラントの被せ物を連結することで安定を得られるのです。

しかし、欠損歯数が1部位の場合で、骨の高さが8ミリ程度しかなかったとします。
この場合には、8ミリの長さのインプラントでは無理なことが多いのです。

こうした場合、骨の高さを増大することが『ソケットリフト法』なのです。

それでは、『ソケットリフト法』により どの程度の骨の高さを増大することができるのでしょうか?

『ソケットリフト法』により、骨の高さを増大できる限度は、もともとの骨 等の条件により変わってきますが、おおよそ3〜5ミリが限界とされています。

さまざまな学術的な報告をみると5ミリ以上の骨増大を行ったものもありますが、
一般的には、3〜4ミリ程度になると考えられます。

つまり、もともと骨の高さが6〜7ミリ程度存在すれば、『ソケットリフト法』により10ミリの長さのインプラントを埋入させることが可能ということになります。(無理なく安全に行える範囲として)

多くの報告から『ソケットリフト法』の適応症は、『5ミリ以上の骨の高さが存在することが必要!』とされています。

それでは、ちょうど5ミリ場合や、
4ミリの場合、
3ミリ以下の場合では、
どのように判定をするのでしょうか?

多数歯の欠損があった場合で、その1本(1カ所)が骨の高さが4ミリであった場合では、状況により『ソケットリフト法』を行い、8ミリ程度のインプラントを埋入し、他のインプラントと連結させる方法と行うこともありますが、
3ミリ以下の場合、『ソケットリフト法』は困難になります。

『ソケットリフト法』の確実な適応基準というものは、存在しませんが、
先程も書きましたように『5ミリ以上の骨の高さが存在することが必要!』ということになります。

これ以下では、安定したインプラントは難しいのです。

次回は、上顎の奥歯において、骨の高さが非常に少ない場合(5ミリ以下)の 骨増大法について解説します。


次回のブログは3/26(木曜日)になります。



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Profile
     院長履歴

1993年 神奈川歯科大学卒業
1993年 同大学歯周病学講座
      入局
1999年 日本歯周病学会
      専門医取得
1999年 東京都にて杉山歯科
      医院開業
2003年 I.T.Iメンバー認定
2005年 国際口腔
      インプラント
      学会認定医取得
2006年 大船駅北口歯科
      インプラント
      センター開業

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     sugiyama-d.sakura.ne.jp
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