サイナスリフト法:治療方法 その1

 昨日の続きでまたサイナスリフト法についてです。
何回かに分けてサイナスリフト法(上顎洞底挙上術)についてお話をしてきました。
今日はサイナスリフト法の術式についてお話したいと思います。
まずサイナスリフト法を行う理由を再度おさらいしたいと思います。
上顎の奥歯は骨の吸収を起こすとインプラントを埋入するための骨の高さがなくなってしまうことが多い場所です。
またインプラントが行えても短いインプラントしか埋入できないため後に問題となることが多い場所です。
実際にインプラントの成功率をみても一番成功率が悪い部位であることが多くの研究論文によりわかっています。
そこでより成功率を高めるため長いインプラントの埋入が必要になってきます。
しかし、多くの場合、上顎の奥歯に長いインプラントを行うことは困難です。
そのため上顎洞内に骨の移植を行い、骨の高さを増大させる治療が必要になってきます。
この上顎洞内部に骨を移植する治療法をサイナスリフト法(上顎洞挙上術)と言います。
治療方法として骨の高さのが少なくなっている奥歯の横(頬側)から小さな穴を開けます。(頬側の骨にラウンドバーと言われる小さな歯を削る道具と同じような物で穴を開けます)
この穴をあけること自体はさほど難しいことではありません。
難しいのはこの後に行う、上顎洞粘膜を剥離するという作業です。
頬側の骨に穴を開けると、その内部には非常に薄い粘膜があります。この粘膜は『シュナイダーメンブレン』といわれ、骨にへばりついています。
『シュナイダーメンブレン』を骨面からゆっくりと剥がす作業が少し難しいことです。
この『シュナイダーメンブレン』を剥がすとそこに空洞ができます。
その空洞に骨を移植するのです。
さきほど話しましたように『シュナイダーメンブレン』を傷つけず剥がす作業が大変なところです。
無理に力を入れたりすると『シュナイダーメンブレン』は非常に薄いため破れてしまいます。
破れた場合には修復方法はありますが、破れない方が無難です。
このまでがサイナスリフト法の第一段階です。

明日はこの続きをまた紹介します。


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