2/4(月曜日)です。

2/2(土曜日)、2/3(日曜日)は、 日本口腔インプラント学会(関東甲信越支部)でした。
診療が忙しかったため、全ての治療を他の先生にまかせることができず、2/2の午後のみ参加してきました。
最近のインプラント学会はものすごい人数です。
私が始めてインプラント学会に参加した15年前と比較するとくらべものになりません。
それだけ、歯科医師の興味も高いということです。

特に私が大学生だった頃には、授業でインプラントの講義はありませんでしたので、
それ以前に卒業した先生は、学会等で知識を身につけたいと思っているのでしょう。

さて、今日から新しいテーマです。

『オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…』になります。

まず、『ポンティック』とはなんのことでしょうか?
『ポンティック』について説明する前にブリッジについて解説したいと思います。
ブリッジを理解するとポンティックは自然と分かってきます。
ブリッジとは歯のない部分に歯を作製する治療方法の一つです。

例えば、前歯が1歯欠損していたとします。
この場合の治療方法として
1 インプラント
2 義歯
3 ブリッジが考えられます。

それぞれの特徴は以下のようになります。
1 インプラント
  インプラントは欠損周囲の歯を削らず、欠損のみに人工の根(多くはチタ
  ン製)を埋め込むものです。
  利点は、
  治療のために周囲の健康な歯を削らない。
  固定式のため違和感がない。
  義歯(入れ歯)やブリッジのように他の歯に負担をかけない。
  が挙げられます。
  欠点として、
  治療期間が長い(最短でも2ヶ月程度)。
  手術を必要とする。
  保険がきかない。
  
2 義歯
  義歯とは“ 入れ歯 ”のことです。
  利点として
  治療のために周囲の健全な歯を削る必要性がない。
  型を取れば、約1週間で完成するため、治療期間が短い。
  麻酔もすることがない。
  ほとんどの義歯は保険が適応される(全ての治療の中で最も安価)。
  欠点として
  取り外しのため、食後には取り外し、清掃が必要になる。
  食事や会話中に取れたりする可能性がある。
  プラスチック製のものが口の中に入るので、違和感が強い。
  部分義歯の場合、義歯を安定させる金具がつき、審美性に問題がある。
  義歯を固定する歯が歯周病等の場合、金具で支えている歯に負担がかかる。
  等があります。
  多くの方はこの義歯を希望しないのが現状です。

3 ブリッジ
  ブリッジは欠損部の両側の歯を削り(全周約1〜2ミリ程度削る)、欠損 
  部を含めた被せ物を装着するものです。
  利点として
  固定式のため、義歯のように取り外すことがないため、違和感が少ない。
  歯を削り、型を取れば、1週間程度で完成する。
  欠点として
  歯(ケースによっては健康な歯を)を削る必要性ある。
  保険の場合、奥歯は金属製である。
  ポンティックが存在するため、その形
  態により清掃性や発音に問題が生じる可能性がある。

ここで、ようやくポンティックがでてきましたね。
このポンティックについての詳細は後で解説しますので、
ここでは上記の欠損部に対する3つの治療法について理解して下さい。
  
以下は、インプラント義歯ブリッジの比較写真です。

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クリックすると拡大されます。





次回のブログは2/7(木曜日)になります。
次回のテーマは『欠損を治療する3つの方法の続き』と『ポンティックとは?』です。

今週(2/1〜2/3)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラントを4本埋入した1症例について解説します。

骨の状態はかなり悪く、欠損状態(歯がなかった期間)が長かったため、
骨の吸収が起ってしまっていました。
こうした歯がない部分の骨吸収はよく起ることです。
不適切な義歯の使用や歯が抜けたままにしていると顎の骨は吸収してきます。
骨は機能圧(噛むカ)が加えられることによりその高さや幅は維持されます。
歯周病に問題がなく歯がきちんとあれば顎骨の吸収はほとんどありません。
しかし、抜歯を行うと個人差はありますが、必ず顎骨は吸収していきます。
現在義歯をしている方はわかると思いますが、
義歯を作成しても数年経つと顎骨が吸収するために合わなくなっていきます。
数年おきに顎骨が吸収した分を裏打ちしたり、再製したりする必要性があります。
今回の患者様も歯がなくなってから10年以上経過していました。

もちろん、歯がなくなった原因にもよりますが、
歯周病が進行していたり、歯の根が折れた状態でいると 骨はどんどんと吸収してしまいます。

  この続きおよび詳細は以下をご覧下さい。(クリックして下さい)
   ・歯がないと顎の骨はどんどんと吸収していきます!

下顎において骨の垂直的な吸収が大きい場合、一番問題となるのは、下顎神経との関係です。

下顎神経(下歯槽神経)は通常、骨吸収がない場合、下顎の下方1/3〜1/4ぐらいに位置しています。(個人差はかなりあります)

下の写真は下顎神経を表した下顎の透明模型です。
赤い線が下顎神経です。
kagakusinnkei
クリックすると拡大されます。







歯周病等で骨が吸収した場合、骨は 歯がある下顎骨の上部から吸収が始まりますので、
骨吸収があるとインプラントを埋入する際には骨の高さが不足します。

下の動画は、骨の吸収を解説したビデオです。
お時間がある方はご覧になって下さい。(4分51秒)



インプラントと神経の位置関係ですが、
約2〜4ミリ程度の距離が必要です。

つまり、下顎神経の上2〜4ミリの位置までしかインプラントの埋入はできません。

今回は、下顎神経(下歯槽神経)までの距離が12ミリでしたので、安全性を考え、8ミリの長さのインプラントを埋入しました。

下顎神経までの距離は2ミリあれば、問題ないという論文学的なデータもありますが、
インプラントを埋入する際の機械的刺激も影響されることがありますので、
3〜4ミリは距離をとった方が不難です。

そのため、今回は下顎神経まで4ミリの距離を保つために、8ミリの長さのインプラントを選択しました。

こうした神経との関係にはきちんとした検査が必要です。
    この詳細は以下を参考にして下さい。(クリックして下さい)
     ・SimPlantの導入(コンピュータによる最先端インプラントシュミレーションソフト)
   
使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ8mmが4本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。
インプラントの埋入本数が少なかったり、
インプラント手術に際し、さほど不安がない方にはこうした簡単な麻酔方法でインプラント埋入を行います。
もし、インプラント治療に不安がある場合には
『静脈内鎮静法』
にて麻酔を行います。

骨のには大きな問題がなかったために、 『GBR法』は必要ありませんでした。


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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。