9/11(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その9』になります。


今日も質問特集になります。
つい最近、メールで以下のような質問を受けたので、
まとめてみました。
回答内容はちょっと難しいかもしれません。


質問14
 他歯科医院でインプラントの手術を受けました。
その時に人工の骨(牛の骨?)を使用したと聞きました。
その安全性について聞きたいのですが…

回答14
インプラントは、骨の中にチタンでできた“ネジ”を埋入するわけですが、
ある程度の太さのある“ネジ”を埋入するためには、“ネジ”より骨の幅が太くなければなりません。
つまり、インプラントの直径より、骨幅の方が大きい(太い)ことが必要です。
しかし、現実的には、多くの症例において、骨幅の方が細い(狭い)ことの方が多いのです。
これは、さまざなな 原因により骨が吸収してしまったからです。

骨が吸収している場合、骨を増大させる治療法(GBR法)を行うことが必要になります。

このGBR法時に使用するのが、人工骨です。

一般的にGBR法に使用する『人工骨』と言っても多くの種類があります。
また、単に『人工骨』という表現は正しくはありません。
正確には、GBR法に使用する骨は、骨移植材(骨補填材)と言い、以下の3つに分類されます。

1 同種骨:ヒトの骨( 『DFDBA』や『FDBA』等)
2 異種骨(牛や豚等の骨)
3 代用骨(人工骨: β―TCP等)
になります。

ご質問にあった『人工の骨(牛の骨?)』というのは、おそらく2番の『異種骨』に分類されるものと考えられます。

『異種骨』とは人間以外の動物の骨のことです。
動物もヒトと同じ骨をもつ生き物ですから人工の骨よりは骨の新生(再生)には優れていると考えられます。
しかし、当然と言えば当然ですが、動物の骨をヒトにそのまま移植すると拒否反応が起ります。
そのため、医療に使用される異種骨は化学的処理をほどこすことと、高温で焼成することにより拒否反応が起る有機質部分を除去したものが使用されています。

GBR法で使用される(使用の可能性のある)『異種骨』は、世界中の多くのメーカーが製造しています。
その安全性等の基準もさまざまです。
日本であれば、もちろん 厚生労働省 が安全性を認可したものが使用許可となっています。

臨床で使用される材料は、そうした基準をクリアーしている物ですから『安全である』ということになります。

しかし、実際に ご心配されているということは、
以前大きく問題となった『あの事件』も関係しているのではないでしょうか。
皆さんもご承知の『狂牛病(BSE)』に代表される 感染リスクということもご心配の一つと考えられます。

いくら科学的な裏付けがあり、安全と言っても
『気分的には…』と思われるかもしれません。
そうしたことも考え、当医院では『異種骨』は使用しません。
(これは、私個人の意見であり、安全性が実証されている異種骨は、もちろん使用可能です)
患者さんに『牛や豚の骨を使用します』と言ったらほとんどの人は『嫌』と言うでしょう。
そこまでして使用する理由はありません。
他に選択肢があるのですから…
安全で効果の高いものを使用します。
その選択肢の一つが代用骨(人工骨: β―TCP等)です。

また、世界的には、GBR法の材料として使用されているが、日本では 厚生労働省の認可がない材料もあります。
この場合、日本で使用できるか ということですが、
歯科医師が、患者様の同意のもとで使用することはできます。

日本の 厚生労働省の認可は、非常に厳しい(遅い?)もので、世界的に効果が高いとされている材料であっても日本では、なかなか使用できないのも事実です。

『DFDBA』や『FDBA』
といった骨補填材(同種骨)がその代表的なものです。
また、今回ご質問にあった異種骨も海外では、数多くの製品が販売されています。


*実際に使用された材料についてご心配な場合には、治療を受けられた担当医に安全性等の詳細と聞いてみた方が良いでしょう。
*当医院では、完全に人工的に精製された骨補填材:人工骨( β―TCP)のみを使用しています。


次回のブログは9/15(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その10』です。


今週(9/9〜10)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中からGBR法を行った1症例について解説します。

今回の症例は、骨が高度に吸収してしまい、インプラントを埋入することができなかったため、まず骨を増大(再生) する治療法を行いました。

それでは、なぜインプラントができないほど骨が吸収してしまったのでしょうか?

その理由は、 歯根破折です。

神経のない歯は非常に脆く、通常の噛む力でも突然折れることがあります。
基本的に歯の根が折れた(割れた)場合には、抜歯になります。

根が折れた場合には、できるかぎり早期に抜歯した方が良いでしょう。

早期に抜歯しないと破折した部分から感染が起こり、根の周囲の骨吸収が起こります。

どれくらいで、骨吸収が起るのかと言いますと
早ければ、数週間です。

特に腫れたりした時には、骨吸収が急速に進行している状態です。
何度も腫れを繰り返している場合には、非常に危険です。

しかし、歯根破折の場合、痛みがさほどでないことが多いので、
患者様の多くは『抜歯したくない』と思っているのも現状です。

今回のケースでも歯の根が割れた状態でかなりの時間が経過したと考えられます。

骨の吸収がかなりありました。
顎の骨の1/3程度の骨吸収です。

実際に骨吸収を高度に起こしている場合、治療は大変です。

GBR法を行えば、骨は完全に元通りに回復できるわけではありません。
骨の再生(増大)には限界があります。

そして、最も大きいのは、治療の大変さです。
骨吸収が大きければ大きい程、難症例になります。
治療による腫れ等があります。

もちろん治療費の問題もあります。
治療期間も長くなります。

また、前歯部では、骨吸収が大きいと審美性の問題も生じる可能性が高くなります。

歯根破折を起こしていても 痛みがない場合には、なかなか抜歯には踏み切れないかもしれません。
しかし、後のことを考えれば、できるかぎり早期に抜歯することが大切です。

今日は、手術内容の話しからは少しズレてしまいましたが、現状をふまえ、的確に判断することは大切なことです。

GBR法では、多くのケースで、今回の質問特集で紹介しました 人工骨(β―TCP)を使用します。
確実な安全性があり、使用しやすい材料だからです。
手術時間は、約20分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3ヶ月後にレントゲンにて骨の再生状況を確認し、
骨の再生に問題がなければ、インプラントを埋入します。


治療費
GBR費用は、52.500円(税込)になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代も全て含まれています。


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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
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