11/24(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『歯科治療と金属アレルギー:その2』になります。

前回から始まった新しいテーマです。

まず、アレルギー反応について前回の解説の追加をしたいと思います。

アレルギーとは、『免疫疾患』です。
『免疫』を簡単に説明すると、
生体内に侵入した『ウィルス』等の敵からご自身の身体を守る『防御シムテム』のことです。

この『防御システム』について『金属アレルギー』を例にとって解説します。

まず、『金属イオン』が身体の中に入ってきます。
『金属イオン』が生体内のタンパク質と結合すると、
生体内が『異物侵入』と認識します。
このことを『感作』と言います。
生体が『金属イオン』のことを『悪い奴』と覚えるのですね。
この『感作』の状態で、また、同じ『金属イオン』が生体内に侵入(タンパク質をと結合)すると、生体内が『金属イオン』異物とみなし、戦いを始めます。
生体と『金属イオン』の戦闘開始です。

生体は『金属イオン』を攻撃するために、さまざまな武器(化学物質)をまき散らします。
しかし、戦いが激化すると、化学物質は健康な生体にも反応(攻撃)してしまいます。
その結果、皮膚や粘膜が炎症を起こすことになります。
これが『アレルギー症状』なのです。

2回目の今日は、『金属アレルギーを調べる方法』『アレルギーを起こしやすい金属』について解説します。


『金属アレルギー検査』
金属アレルギーを調べるには、主に以下のような検査があります。

1 『パッチテスト』
   これは、皮膚(上腕部や背中が多い)に各種金属粉末を貼付け、
   炎症反応をみるものです。
   2〜7日後に貼付けたものを除去し、皮膚が赤くなっていれば、
   陽性と判断します。
   健康保険が適応されます。

2 『リンパ球幼弱化テスト(リンパ球刺激試験)』
   採血した血液中のリンパ球に、金属を取り込ませることによって
   過敏性を示すかどうかを判定するものです。

3 『金属含有レベルテスト』
   血液中に存在する有害金属レベルを測定するものです。
   本来急性中毒などの測定に行われるものです。
   リンパ球幼弱化テストと同時に行われることがあります。

4 『毛髪ミネラル検査』
   髪の毛から体内に残量する有害金属を推測するものです。
   生活環境の改善等の指標になります。
   切る髪の毛の量は、非常に少量です。

1と2が一般的に行われます。
歯科治療において使用している金属(使用予定の金属)がご心配な場合には、
まず歯科医院にて口腔内で使用されている可能性が高い(使用予定の金属)金属を特定してもらい、
その金属(使用予定金属)のアレルギー検査を行い、
治療を進めることになります。
  *金属アレルギー検査は、皮膚科アレルギー外来 等でご相談下さい。



アレルギーを起こしやすい金属

アレルギーは全ての金属で起るわけではありません。
アレルギー反応が
起りやすい金属
起りにくい金属 があります。

以下では、歯科で使用されている金属について解説します。


  金属アレルギーを起こしやすいもの

・ 水銀:1970年頃までの歯科治療において頻繁に使用されていた
    『アマルガム』に含まれていました。
     近年では『コンポジットレジン』と言われる樹脂が普及し
     たため、ほとんど使用されなくなっています。
     ちなみに私は『アマルガム』を使用したことはありません。

・ ニッケル:アレルギーを起こしやすい金属です。
       あまり聞き慣れない金属かもしれませんが、日常触れ
       る機会の高い金属です。
       日本において現在発行されている50円硬貨や100円硬貨は
       銅とニッケルの合金です。
      
・クロム


  金属アレルギーを起こしにくいもの

・ 銀: アレルギー反応は非常に少ない金属です。
    歯科においては、軟らかいため、単独では使用されることは
    少ないのですが、他の金属と混ぜて合金として使用されてい
    ます。

・ 金:イオンが溶け出しにくいため、アレルギーができにくい金属
    です。
    しかし、粗悪なピアス等では他の金属も含まれている
    合金のため、アレルギーがでることがあります。
    歯科では、被せ物の適合性が非常に優れた素材として使用さ
    れています。

・ 白金:イオンが溶け出しにくいため、アレルギーができにく
     い金属です。
     硬さ等に優れ、セラミック冠等を作製する際に使用されます。

・ チタン: 私の知る限り、現在のところチタンと断定したアレル
      ギーの報告はないと思います。
      アレルギーに対して最も安心感のある金属です。
   *ただし、チタンが原因と可能性が考えられる報告はあります。


次回は『アレルギーを起こしやすい金属』の続きになります。

『日本の保険診療で使用されている金属』と『アレルギーの少ない金属治療』について解説します。
次回のブログは11/27(木曜日)になります。

今週(11/21〜22)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎の奥歯にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

上顎の奥歯は、インプラントを行うのに難しい場所です。
その理由として、骨の高さが非常に少なくなっていることが多いからです。

上顎の奥歯には元々、『上顎洞』という空洞が存在します。
『上顎洞』とは、上顎の奥歯の上に存在する骨の空洞になっている部分のことです。
この空洞は頬骨の奥に存在し、鼻腔へとつながっていて、鼻柱骨により左右に分かれています。
この上顎洞の働きは完全にはわかっていません。
多くの場合、歯が存在するとこの上顎洞と上顎の骨の距離は一定の幅がありますが、
歯周病等で骨が吸収してしまうと上顎と上顎洞との距離が薄くなってしまいます。
その結果インプラントを行えないことがあります。

下図は、上顎洞の説明です。
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クリックすると拡大されます。



Aは、歯がある状態で上顎洞までの距離があり、十分な骨の高さがある。

Bは、歯を失った後でも上顎洞までの距離があり、十分な骨高さがある。
   インプラントを行うのに問題はない

Cは、歯周病等で骨が吸収してしまったために上顎洞までの距離がなくなり、
   インプラントを行うのに十分な骨の高さがない。
   上顎にインプラントを希望する患者さんの多くは(60%以上)このような
   状態です。
   このように歯を抜いた場所は年々やせて、
   場合によっては1〜2mm程度の幅しかない方もいます。

今回のケースにおいても骨の高さは、4〜5ミリ程度しかありませんでした。
そこで、『ソケットリフト法』という治療を行い、
長さ8ミリのインプラントを埋入しました。
それでも埋入できたインプラントの長さは、8ミリです。

これは、上顎のインプラントとしては短いものです。
そのため、今回埋入した手前にすでに埋入が済んでいるインプラントと連結固定を行い、
強度をはかります。
手前のインプラントは数ヶ月前に長さ12ミリを含め、
2本のインプラントがすでに埋入済みになっています。
今回は、それらのインプラントの追加として行ったものです。

手術時間は、約15分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約4ヶ月後に型を取ります。


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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
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