7/6(月曜日)です。
今日も歯周病の話になります。

歯周病になると口腔内の細菌(歯周病細菌)が増殖をします。

前回のブログでは、歯周ポケットという 歯と歯肉の隙間に食べかすが入り込むことにより歯周病が進行することを解説しました。

歯周病が進行すると歯を支えている骨が吸収します。
そして、骨吸収が進行すると 歯がグラグラとしてきます。

最終的には、抜歯となってしまいます。

歯周病は、治療を行えば、その進行は停止させることができます。
しかし、どのような状態でも治療が可能なわけではありません。

私は、歯周病の専門医(日本歯周病学会歯周病専門医)ですが、
専門医であっても進行した歯周病を治すことはできません。

当院を受診される患者様の多くは、
歯周病で歯がなくなったり、出血があったり、歯肉が腫れたり、歯がグラグラしている患者様です。

そのような歯周病の患者様に対して、
歯が欠損している部位に対しては、ご希望があれば、インプラント治療を行います。
インプラント治療を行うことにより噛むことができます。

しかし、問題なのは、残った他の歯です。
他の歯が歯周病であった場合、そのままの状態でインプラントを行うと 
インプラントも歯周病と同じ状態になってしまいます。
インプラントを支えている骨が吸収し、抜け落ちてしまうのです。
天然歯の歯周病と同じです。

また、残った天然歯の歯周病が進行すれば、抜歯になってしまいます。
抜歯になれば、また、欠損部にインプラントを行う必要性がでてきます。

このようなことを繰り返すことにより、歯はどんどんと失っていきます。

歯周病で歯が無くなった方は、単に欠損部位にインプラントを埋込むだけでは、
問題はまったく解決しません。

歯を失わないことこそ最も重要なことなのです。
本日のブログの最初にも書きましたが、歯周病を治療することは可能です。
しかし、全ての歯周病を治すことは不可能です。
あまりにも進行してしまった状態は、治療を行うことができなくなってしまいます。
つまり、抜歯です。

ここで問題なのが、抜歯をためらい、そのままにすることです。
患者様にとっては、『どうせ、抜歯しか方法がないのであれば、自然に抜けるまでそのままにしたい!』
とご希望される方もいらしゃいます。
これは、非常に危険です。

歯周病は、感染症です。
冒頭で解説したように口腔内に存在する歯周病細菌が増殖すうことにより
歯周病は進行していきます。
もし、抜歯しか方法がない歯をそのままにしておくと
その歯に感染している歯周病細菌が他の歯へと感染してしまいます。

おおざっぱな例えですが、
検診でガン(癌)が発見されたとします。
手術 等で その癌を取れば、進行を停止させることができたとします。
しかし、癌(ガン)をそのままにしておくと
他の臓器まで転移してしまう可能性もあります。

抗がん剤でガンの進行を停止さることも可能かもしれませんし、放射線治療で進行を停止させることも
できるかもしれません。

しかし、そのままにしておけば、ガン(がん)細胞は、どんどんと大きくなり、転移する可能性が十分あります。
癌治療では、ガン(癌)細胞の増殖を停止させたり、取り去る(除去)することが重要になるのです。

歯周病も同様のことが言えます。
歯周病の歯を放置すると 歯周病細菌は、どんどんと増殖し、その歯をダメにするだけでなく、
他の多くの歯にも感染し、ダメになってしまいます。

できるかぎり早く歯周病細菌を除去する治療を行うか
治療しても治らない可能性がある歯は抜歯することが重要です。

しかし、こうしたことをご理解していただくのが難しいこともあります。
『抜歯』と聞いただけで、『絶対に抜歯は嫌!』という方もいらしゃいます。
『抜歯するならこのままでいい!』
という方もいらしゃいます。

抜歯が必要な患者様には、
歯周病の治療の方法や治療が難しいケースについての話をさせていただきますが、
最終的な治療方針は、患者様ご自身のご希望により決定しますので、
完全にダメな歯でも抜歯せず、そのままになってしまうことがあります。
こうした場合、必ず感染は、他の歯にもおよびますので、
次に来院された時には、さらに多くの歯を失ってしまうことになるのです。

歯周病の話については、先日 歯周病専門サイトを開設しましたので、以下を御覧になって下さい。

     ・歯周病専門サイトWEB


次回のブログは7/9(木曜日)になります。

今週(7/3〜5)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

症例は、下顎の左右奥歯が欠損している患者様です。
このように歯が欠損する方の多くは、奥歯からです。

その理由として、奥歯は前歯より早い段階で永久歯が生えてくるため、より虫歯になる時期が早く、
虫歯が深い場合、神経を取り除く治療を行う可能性も高くなります。
神経がない歯は健康な歯よりもダメになるリスクは高くなります。
また、奥歯は噛む力を受けやすく、負担がかかりやすい歯です。
歯ブラシを行う際にも前歯よりは、歯ブラシが十分に届きにくい部位になります。

さまざまな原因からダメになりやすいのです。

さて、本日ご紹介する患者様は、下顎の右側が3歯分の欠損、
左側が2歯分の欠損でした。

右側の3歯欠損に対しては、2本のインプラントを埋入し、ブリッジという形態をとることにしました。
骨の状態は、決して良い状態ではありませんでしたが、
インプラントの埋入と同時に骨の増大治療(・ GBR法)を行えば、十分可能な程度でした。
しかし、左側の2歯欠損の手前側に関しては、骨の吸収があまりにも大きく、
とてもインプラントを埋入することができない状態でした。
骨の吸収は、垂直的に10ミリ程度の吸収が起っている状態でした。

そこで、左側の一部位には、骨の増大治療(・ GBR法)のみを行いました。

同部分に骨が再生するまにでは、約3ヶ月程度が必要になります。
そのため、この部位にインプラントを埋込むのは、3ヶ月後になります。
インプラントを埋込んでから再度、骨とインプラントが結合するまで3ヶ月程度待つことになります。

骨が吸収している部位では、治療期間は、6ヶ月以上ということになります。
骨吸収がさほど起っていない部位では、3ヶ月程度ですから
骨吸収が大きく起っている部位では、倍以上の治療期間が必要になります。

今日の歯周病の話もそうですが、状況が悪化しないうちに治療を開始することが
より治療を簡単に行う多きなポイントなのです。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプが3本でした。





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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。