6/7(月曜日)です。
このインプラント症例ブログは毎週 月曜日木曜日にアップしています。
『52回目のインプラント症例』になります。

始めに次回のブログについてお知らせします。
毎週月曜日木曜日にアップしているこのブログですが、次回(6/10)の木曜日はお休みします。


今日の症例のテーマは、
『治療計画は、患者様それぞれ違う!』
『費用 対 効果のある治療計画!』
『噛む場所をきちんと確保する!』
という内容で解説します。

欠損部位が多くあったり、
残っている歯が将来性がない歯であったり、
するような場合、インプラントの治療計画は難しくなります。
例えば、上顎の奥歯が4歯分欠損していたとします。
きちんと噛めるようにするには、4歯分を作成することになります。
当然ですが…
しかし、欠損全てを治療するとなると 治療費が高額になってしまいます。
こうした場合、4歯欠損でも 2歯分のみ治療を行うこともありますし、
3歯欠損分の治療を行うこともあります。
また、1歯分しか行わないこともあります。
理想的には、全ての欠損に対してインプラントを埋入することが一番ですが、
経済的な問題、骨吸収等の問題を考えた場合、全ての欠損に対して行うだけが治療ではありません。

また、下顎の左右 奥歯(左右2歯欠損づつ)がない場合、
左右ともにインプラントを埋入することになります。
つまり、右側に2本のインプラント、左側に2本のインプラントを埋入するということです。
しかし、左右ともインプラントを埋入すると治療費が高額になってしまいます。
このような場合、
片側のみインプラント治療(2本のインプラント)を行うこともありますし、
右側にインプラントを1本、左側にインプラントを1本づつを埋入することもあります。
これは、単に治療費の削減だけを考えて決定されるわけではありません。
例えば、患者様が普段右側だけで食事をされるような場合(右で噛む習慣がある)、
右側のみにインプラントを埋入することがあります。
もちろん理想的には左右ともインプラントを埋入した方が良いですが…
費用 対 効果 ということを考えれば、良く噛む右側のみにインプラントを埋入した方が良いのです。
また、欠損部位と噛み合う上顎の状態によっても変わってきます。
上顎の右側が重度歯周病であり、その将来性が低い場合には、右側にインプラントを埋入せずに、左側のみにインプラントを埋入することがあります。
下顎の右側にインプラントを埋入しても、噛み合う上顎の歯だダメになってしまえば、右側にインプラントを埋入した価値がありません。

今回ご紹介する症例も 欠損部位が多数あり、残っている歯自体も問題が多く、将来性が低い歯が多く存在したケースです。
そのため、全てにインプラントを埋入することは、患者様ご自身の治療費負担が増えるだけでなく、
将来的に無駄な計画になってしまうことがありました。
そこで 患者様のご要望、費用 対 効果が獲得できる治療になったケースです。

以下が初診時になります。
スライド01

右側の奥歯 と 左側の奥歯 が欠損しています。
これでは、奥歯がないので噛むことができません。
スライド02

患者様は、欠損部位にインプラント治療をご希望されて来院されました。
しかし、単に欠損部のみに注目してインプラントの計画を立てるだけでは 良い治療計画とは言えません。
口腔内全体の問題点を考えることが重要になってきます。
問題点の一つとして、歯根破折 している歯が存在しました。
スライド03

歯周病にはさほど大きな問題はありませんでしたが、神経のない歯が多く存在していました。
以下の赤丸が神経がない歯です。
スライド04

神経のない歯の問題点については、このブログでも何度も解説してきました。
神経のない歯は脆く、通常の噛む力でも歯根破折 したり、虫歯になっても冷たい、熱い等の症状がでないため、手遅れになりやすかったりします。

今までの歯根破折症例については以下をご覧になって下さい。
  
  1. 5/27の歯根破折症例
  2. 5/24の歯根破折症例
  3. 3/4の歯根破折症例
  4. 2/25の歯根破折症例
  5. 2/22の歯根破折症例
  6. 2/11の歯根破折症例
  7. 1/25の歯根破折症例
  8.  1/14の歯根破折症例
  9.  1/11の歯根破折症例
  10. 1/ 7の歯根破折症例

神経のない歯が多いので問題は多くありますが、現時点で抜歯となるのは以下の2歯です。
スライド05

欠損は、
上顎右側が3歯欠損、
下顎右側が1歯欠損、
下顎左側が2歯欠損
になります。
スライド07

欠損全てにインプラントを埋入することが最も噛める状態になります。
しかし、本日の最初でも書きましたように
治療費、
残っている歯の将来性、
患者様のご希望
等をふまえた結果、第一ステップとして右側の治療を行うことになりました。
上顎右側の奥歯の3歯欠損 と 下顎右側の1歯欠損についてです。
上顎では、骨吸収が起こっていました。
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
緑線は上顎洞という空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
いつもこのブログをご覧になっている方はもうすでにご存知のことと思います。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
        上顎洞
スライド06

以下が右側のインプラント治療計画です。
スライド08

上顎の右側の3歯欠損は、骨吸収が大きかったので、3本のインプラントを埋入する計画になりました。
少しでも長いインプラントを埋入するために、ソケットリフト法 という治療法を行いインプラントを埋入する計画です。
スライド09

以下は、下顎の右側の奥歯を抜歯し、上顎右側の奥歯にインプラントを3本埋入した直後です。
スライド10

下顎の抜歯した部位は抜歯部が安定するまで待ってからインプラントを埋入します。
先に上顎にインプラントを埋入したのには理由があります。
インプラントと骨が結合(くっつく)まので期間は、
上顎 と 下顎 では変わります。
上顎の方が治療期間(骨とインプラントが結合する期間)が長くなります。
そのため、下顎の抜歯部が治る(安定する)までの間に上顎にインプラントを埋入した方が治療期間の短縮になるのです。
スライド11

以下が下顎右側にインプラントを埋入した直後です。
スライド12

この時点では、患者様は左右の奥歯では まだ噛めない状態です。
少しでも早く奥歯で噛めるようにすることが、安定した食生活を維持するために重要なことです。
今回のテーマの一つである『費用 対 効果 のある治療計画!』という点で言えば、
右側だけでもきちんと噛むことが可能になれば、食事も十分にできるようになります。
以下が右側のインプラント治療が終了した後です。
スライド13

これで右側の奥歯で食事が可能になりました。
患者様にとっては、上顎の奥歯が欠損してからずーっと奥歯では食事ができなかったため、だいぶ楽になるでしょう。
さて、次に考えていかなければならないのが、左側です。
スライド14

下顎の左側が2歯分欠損しているので、現状では2本のインプラントということになります。
スライド15

しかし、欠損手前の天然歯自体に問題があります。
先にもご説明したように神経がない歯です。
また、この歯は単に神経がないだけでなく、
根の先に膿みが溜まっていたり、
治療のやり直しを何度も繰り返すことで 残っている歯質自体も薄くなっており、将来性は低い歯です。
スライド16

そのため、奥歯の2歯欠損に2本のインプラントを埋入した後で、手前の2歯がダメになることも十分考えられます。
スライド17

もし、この2歯がダメになれば以下のようにさらに2本のインプラントを追加埋入することが必要になります。
スライド18

こうなると何度も治療を行うことになるため、患者様自身も大変ですし、
治療費もさらにかかってきます。
そこで、一つの考えとして将来性のない歯を抜歯するということも考えられます。
スライド19

もし、この歯を抜歯すれば以下のようなインプラント治療計画になります。
スライド20

2本のインプラントで4歯分を支えるインプラント ブリッジ となるのです。
奥歯の2歯欠損のみにインプラントを埋入するか?
欠損手前の2歯を抜歯し、インプラント ブリッジ とするか?
どちらが正しいということではありません。
患者様のご希望、
将来性、
治療費、
口腔内全体を考えた上で決定されるのです。
最終的には以下のようになりました。
スライド21

先に治療を行った右側できちんと噛むことが達成できたので、左側は1本のみのインプラント治療となりました。
もちろん欠損は2歯分ですので、2欠損ともインプラントを埋入した方がベストになります。
しかし、治療の目的はインプラントを埋入することではありません。
あくまで患者様ご本人がきちんと噛むことができることが重要です。
患者様は、先に治療を行った右側できちんと噛むことが達成できたので、
左側は、1本のインプラントで十分であったということです。
最小限の費用で目的が達成できたということは、
『費用 対 効果』が最も高い治療ということになります。
今後は、神経がない歯が多いので、メインテナンス(定期検査) で経過をみていくことが大切です。

インプラントは単に歯がない部分に行えば良いということではありません。
さまざまなことを考慮して治療計画は立てられるのです。


次回のブログは6/14(月曜日)になります。
今週の木曜日はお休みします。
次回もまだまだ続く『インプラント症例』です。
さまざまケースを紹介しますので、きっと あなたと同じような症例があるはずです。

今週(6/4〜6)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

今週は欠損部が少ない症例が多かったですね。
1歯欠損が多かったです。
骨吸収も少なかったため、治療自体もさほど難しいケースではありませんでした。
毎回このような症例であれば良いのですが…

今日は先の症例報告が長くなってしまったのでこれで終了です。

治療費
インプラントモニターの場合、1本168.000円(消費税込)になります。
被せ物は、
ハイブリッドセラミックで 1歯84.000円(消費税込)、
金属製で 1歯58.800円(消費税込)
になります。

当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。

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現在、新規にインプラント症例集のページを作成しています。
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