9/13(月曜日)です。
このインプラント症例ブログは毎週 月曜日木曜日にアップしています。
『72回目のインプラント症例』になります。

このブログですが、毎週 月曜日 と 木曜日 にアップしていますが、
暫くは、月曜日だけになります。
ちょっと学会発表 等の仕事があるため、少し忙しく、
暫くの間は月曜日だけのアップになります。

本日の症例は、治療計画が非常に難しいケースです。
その理由は、神経がない歯が非常に多いのです。
このブログでも良く解説しますが、
神経のない歯はもろく通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。
こうした状態を患者さんに説明する時に"木"に例えてお話しすることがあります。
生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはありませんが、
枯れた木は折れる可能性があります。
神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
神経のない歯は血液供給がなくなるためもろくなってしまうのです。

そうした神経がない歯が非常に多くあったため、
単に欠損部にインプラントを埋入するだけで良いのか悩むケースでした。

また、噛み合わせに大きな問題を起こしていました。
このことについては、症例を見ながら解説します。

以下のレントゲンは、初診時になります。
スライド01

下顎の左右の奥歯が欠損していました。
この欠損部には、義歯(入れ歯)をされていましたが、
違和感が強く、なんとか義歯ではない治療法をご希望されていました。
スライド02

また、上顎右側前歯部 と 下顎右側が歯根破折 していました。
スライド03

これらの歯は、神経がない歯です。
先にもご説明しましたように 神経のない歯は、本当にリスクが高いです。
神経がない歯は、一生の間にまったくトラブルがないことの方が少ないと言えます。
つまり、神経のない歯は、なにかしらの問題が起こることが多いのです。
神経のない歯の将来性については、さまざまな報告がありますが、
神経のない歯の寿命は、5〜30年と言われています。
例えば、20歳で神経をとった場合、
どんなに保っても50歳までにダメ(抜歯)になるということです。
私自身の実感としては、もっと短いと感じています。
極端な話し、神経を取った後、1年も経たないうちにダメ(歯根破折 )するケースも多く経験します。
以下は、神経がない歯を黄色丸で表示しました。
スライド04

半数の歯が神経がないのです。
将来性は、非常に低いですね。
この神経がないことを考えた上で治療計画を立てることが重要です。
ただし、神経がない歯が必ずダメになるということではありません。
さまざまな問題が複合することにより、歯根破折 のリスクが高まるのです。
スライド05

まず歯根破折 の一つ目の原因は、先程から解説しているように神経がないことです。
スライド06

2つ目の原因は、ブリッジになっていることです。
ブリッジは、歯が欠損している部位を治療するために 欠損部位の両側の歯を削り、連結した被せ物を行う治療です。
そのため、ブリッジの土台となる歯には、どうしても噛む力の負担が加わりやすいのです。
そして ブリッジの土台となる歯が神経がない場合には、さらにリスクが高くなります。
スライド07

3つ目の原因は、下顎の左右奥歯が欠損していたことです。
奥歯が欠損しているため、奥歯では噛めないことになります。
そのため、残っている前歯に負担が加わってしまったのです。
噛む力の負担が加わった前歯が
神経がない!
ブリッジになっている!
ということですから 当然のことながらダメ(歯根破折 )になる確立が高くなるのです。
スライド08

上顎右側の歯が歯根破折 したことは、当然といえば当然の結果だったのです。
神経がない歯は、可能なかぎりブリッジにするべきではありません。
神経がない歯をブリッジとした場合、それが一生保つ確立は非常に低いと思って下さい。
歯根破折 した場合には、抜歯になります。
スライド09


次に問題となったのが、噛み合わせです。
下顎の奥歯が欠損すると 噛み合う上顎の歯が下方に挺出してしまいます。
歯は、上下顎が噛み合っていて始めて その位置は維持されるのです
歯が欠損したままにしておくと 噛み合っていた歯は動くのです。
具体的には、下顎の歯が欠損した場合、噛み合っていた上顎の歯が下方に挺出します。
上顎の歯が欠損した場合には、噛み合っていた下顎の歯が上方に伸び上がっていきます。
正しい噛み合わせは、以下の黄色線です。
スライド10

下顎の歯が欠損しているために、上顎の歯が下方に挺出していきます。
スライド11

そうすることにより、下記の赤線のように噛み合わせがズレていくのです。
スライド12

以下は、正常な噛み合わせ(黄色線)とズレた現在の噛み合わせ(赤線)の比較です。
スライド13

以下の赤い領域が歯が挺出した部分になります。
この挺出した部分を削除して噛み合わせの改善が必要になるのです。
スライド14

このような奥歯が欠損している患者様の多くは、
噛み合わせのズレが起こっていることが多く、
インプラント治療を行う際に どうしても挺出した部分の治療が必要になることが多いのです。

噛み合わせのズレが起こっている方は本当に多いですね。
以下のような理由で起こることが多いです。
歯が欠損します。
そのため、欠損部位に入れ歯を作製します。
しかし、義歯(入れ歯)は、違和感が強く、取り外し式ということもあり、
次第に 使わなくなってきます。
義歯をしないため、噛み合わせのズレが起こってきます。
その結果、他の部位に負担が加わるのです。

現在、歯が欠損している方は、本当に注意が必要です。

話しは、治療方針に戻ります。
まず、以下の2歯は歯根破折 のため、抜歯です。
スライド15

そして、インプラントを埋入です。
以下のような治療計画を立てました。
スライド16

この患者様の場合、奥歯の噛み合わせをしっかりさせることが最も重要なことです。
神経がない歯が多いので、奥歯の噛み合わせをしっかりさせないと
残っている歯に負担が加わり、さらにダメ(抜歯)となる歯が増えていきます。
そのため、下顎の奥歯にインプラントを行うことは、
将来性を高めるためにも 非常に有効な治療と言えます。
次に上顎右側の前歯部ですが、これもインプラント治療が有効になります。
上顎右側の×印を抜歯すると同部は 3歯欠損になります。
この欠損の左側にある天然歯は、2歯とも神経がありません。
もし 神経がない歯をブリッジの土台とした場合には、リスクが高まります。
将来性を考えれば、この欠損もインプラント治療が適しています。
下顎左側の3歯欠損に対しては、
欠損の両側に2本のインプラントを埋入し、インプラントブリッジとします。
右側の3歯欠損については、骨吸収が大きい部位には、無理してインプラントを埋入せずに
骨がある程度存在する部位にインプラントを埋入した方が治療が楽に行えるため、
3歯欠損の右側に2本のインプラントを埋入し、カンチレバー という方法で治療を行う計画を立てました。
また、歯が挺出している上顎の奥歯についても もちろん治療が必要です。
スライド17

この挺出している歯の治療については、もちろん健康保険が適応されますので、
高額な治療費がかかることはありません。
被せ物を撤去して、適切な噛み合わせに改善させた被せ物を再度装着するだけです。
被せ物の費用は、1歯分で約3.000円程度(3割負担の方)です。

以下は、抜歯後にインプラントを埋入したレントゲンです。
スライド18

ちなみにインプラント治療期間中は、仮歯を装着しますので、歯がない日は1日もありません。
上顎右側は、欠損部位の両側の歯を土台にして固定式の仮歯を装着します。
下顎は義歯になります。
スライド19

以下が治療が終了した後のレントゲンです。
スライド20

噛み合わせも改善し、将来性も高くなりました。
スライド21


今回の症例は、
神経のない歯が多い!
噛み合わせのズレが起こっている!
といったリスクが高い方の治療でした。


次回のブログは9/20(月曜日)になります。
次回もまだまだ続く『インプラント症例』です。
さまざまケースを紹介しますので、きっと あなたと同じような症例があるはずです。

今週のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。

今週も多くのインプラント手術がありました。
全ての症例はご紹介できませんが、一部の症例をアップします。
治療が終了次第また、ブログでアップします。


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上記の症例は、上顎前歯部が6歯欠損していた方です。
4本のアンキロス インプラント を埋入しました。
骨幅が少なかったので、スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) を行いました。



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上記のケースは、非常に難しい症例でした。
詳しい内容は、治療が終了したらアップしたいと思います。
ソケットリフト法
インプラントの傾斜埋入
を応用してストローマンインプラント(ITIインプラント) を2本埋入しました。
下顎左側の欠損は、今後インプラントを埋入します。



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上記のケースは、下顎神経が非常に近いケースで、骨の幅も少なかったため、GBR法(骨増大法) を併用してストローマンインプラント(ITIインプラント) を2本埋入しました。
下顎の右側の欠損は、今後インプラントを埋入します。



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上記のケースは、骨幅が本当に少ない症例でした。
骨幅が2〜3ミリ程度しか存在しない状態でしたので、
リッジエクスパンジョン法 を行い、
アンキロス インプラント を2本埋入しました。



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上記のケースは、上顎の奥歯でしたが、骨の高さが、3〜4ミリしか存在しない症例でした。
ソケットリフト法 を行い、ストローマンインプラント(ITIインプラント) を2本埋入しました。


それぞれ難しい症例でした。
今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 上顎では約3〜4ヶ月後、
  下顎では、約2〜3ヶ月後に型を取ります。

治療費
上記の症例では、1本168.000円(消費税込)になります。

当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。

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現在、新規にインプラント症例集のページを作成しています。
さまざまなケースを見ていただくことにより、よりインプラント治療についてご理解していただきたいと思います。
そのため、症例を公開しても大丈夫という方(インプラントモニター)を募集しています。
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