2016年 9月29日(木曜日)です。


始めに今月の休診案内です。

10月 7日(金曜日) 
10月 8日(土曜日) 
は日本歯周病学会参加のため休診となります。

ご不自由をおかけします。




このブログはインプラント症例を紹介するブログです。


本日の症例は、ソケットリフト法という治療法で対応したケースです。

患者様は、上顎の奥歯が欠損しており、噛むことが不自由なため、
奥歯にインプラント治療をご希望されて来院しました。

早速初診時のレントゲン写真から見てみましょう!
スライド01


今回治療を行う部位は上顎左側です。

上顎左側の奥歯が2歯分欠損しています。
スライド02


いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こすの骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
スライド03


さらに わかりやすくするために、骨吸収部位を赤色で表示します。
スライド04


次に上顎洞という空洞を見てみましょう!

以下のレントゲンの緑線は上顎洞という空洞です。

骨ではなく、穴が開いているのです。
スライド05


さらに分かりやすくするために
上顎洞緑色で塗ってみましょう!
スライド06


骨の高さが非常に少なくなっているのが分かるかと思います。
スライド07

スライド08


このままであるとインプラント治療は難しくなります。

短いインプラントしか埋入するこができません。

短いインプラントの予後は明らかに悪いのです。
スライド09


なぜ骨吸収が起こったのでしょうか?

一般的には以下のような理由が考えられます。

歯周病 を放置したり、

歯根破折 を放置したり、

歯がないまま長期間そのままになって いたり

した場合には、骨吸収がどんどんと大きくなります。

骨吸収が大きい場合には、治療が非常に困難になるだけでなく、
骨吸収の状況によっては、インプラント治療自体が不可能となることもあります。

また、治療が困難ということは 治療が複雑になるため
治療後に大きく腫れたり、痛みを伴う場合もありますし、
治療費も高額にかかる場合もあります。

インプラント治療を考えられている方は、状況が悪くなる前に対応することが本当に重要なのです。

それでは、上顎の奥歯においてインプラント治療を行う場合には、
骨の高さがどれだけ残っていれば良いのでしょうか?

以下の話しはこのブログでよく解説する内容ですが、
始めてブログを見られる方 や ソケットリフト法 や 上顎洞について分からない方は
是非飛ばさずに見て下さい。

上顎の奥歯にインプラントを埋入するためには、12ミリ以上の骨の高さがあると最も良いです。

しかし、多くのケースで上顎の奥歯に十分な骨の高さが残っていることは少なく、
骨吸収が起こっていることが多いのです。

その理由は先に説明したとおりです。

噛み合わせ等によっても多少変わりますが、
上顎の奥歯では10ミリ以上の骨の高さがあれば、
インプラント治療が可能となります。

しかし、今回の症例では、4〜5ミリ程度の骨の高さしか存在していません。

4〜5ミリの長さのインプラントであれば、
噛む力に十分に耐えきることは難しいです。

そのため、さまざまな治療法を駆使してインプラントを埋め込む必要性があります。

通常今回の症例のように上顎の奥歯に骨吸収が大きい場合(骨の高さが5ミリ以下)には、
上顎洞の中に骨移植を行います。

こうした治療法をサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) と言います。

この治療法は、インプラント手術の中でもかなり大変な治療です。

私自身も時々サイナスリフト法(上顎洞底挙上術) を行うことはありますが、
できれば避けたい治療であると考えています。

その最大の理由は、治療が大変であるからです。

治療後の腫れが大きく起こるからです。

今回は、比較的腫れがなく、患者様への負担が少ないソケットリフト法 という治療で対応することにしました。

いつもこのブログを読まれいる方は、ソケットリフト法 についてだいぶ知っていると思いますが、お分かりにならない方のために、術式の解説を行います。

ソケットリフト法の術式
上顎洞は、硬い骨ではありません。

分かりやすく説明すると
少し硬い布が垂れ下がっている状態
と思って下さい。

しかし、この布は破れやすいのです。

それではソケットリフト法 の具体的な治療方法について解説します。

骨の高さが少ない状態で 無理に長いインプラントを埋入しようとすると
上顎洞を突き破ってしまいます。

そして、上顎洞が破れてしまいます。
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そこで、以下のように治療を行います。

図1:
上顎洞の手前 1ミリまで骨に穴を開けます。
この1ミリ手前までというのが重要なポイントです。



図2:
開けた穴に 人工骨 を入れます。

人工骨の種類については今回省略しますが、
当医院で使用しているのはβーTCPという完全な人工で精製された骨です。

安全性が非常に高い材質です。

この人工骨を穴に入れた状態で、下から(穴を開けた骨の入口から)
棒状のオステオトームと言われる器具でたたきます。

この時 患者様には、コンコン とたたかれている感じがあります。

人工骨(βーTCP)を入れてたたき、
上顎洞の中に人工骨(βーTCP)を入れていきます。

この作業を何回か繰り返します。

そうすると上顎洞の中に少しずつ人工骨(βーTCP)が入り込みます。



図3:
結果的にインプラントを埋入するための骨の高さが確保されます。
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ここまでがソケットリフト法 の術式です。


今回の症例もソケットリフト法を応用してインプラント治療を行う治療計画を立てました。
スライド10


以下がソケットリフト法でインプラントを埋入した直後です。
スライド11


ソケットリフト法を行った部位を拡大して見てみましょう!
スライド12

スライド13


この拡大レントゲンに
先程の骨のライン上顎洞の線を記入してみます。
スライド14


さらにこのレントゲン写真に
ソケットリフト法を行った後の上顎洞を書いてみます。

青線が挙上された上顎洞の位置です。
スライド15


挙上された上顎洞の内部には人工の骨(βーTCP)が入っています。

以下が被せ物を装着した後のレントゲンです。
スライド16



インプラント治療をご希望されて来院される方の多くは、
歯周病 を放置したり、
歯根破折 を放置したり、
歯がないまま長期間そのままになって いたり
することにより 骨吸収が大きく起こっています。

そのため、簡単なケースが少ないのが現状です。

今回のケースのようにソケットリフト法で対応することもありますし、
GBR法(骨増大法) を行うことも非常に多くあります。

スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法) で対応することもあります。

PRP法 を併用することもあります。

OAM(大口式)インプラントシステム で行うこともあります。

骨があまりにも少ないケースではサイナスリフト法(上顎洞底挙上術) を行うこともあります。

骨吸収している部位に無理にインプラントを行わないで
カンチレバー

インプラントの傾斜埋入

で対応することもあります。

できるかぎり治療を受ける患者様に負担が少ない治療で対応したいと考えています。


治療費
上記の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。

インプラント   1本  160.000円(消費税別) 
被せ物(白い歯) 1歯  100.000円(消費税別)〜 になります。
インプラントの土台は 1装置 50.000円(消費税別)

当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。




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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。